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第37回 「いいお医者さんネット」ニュースレター 8月14日号 |
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中山久仁子先生 「基本的な医療へのアクセスを改善し、一人でも多くの命を救いたい」
管理栄養士 金本りつ子先生のプチコラム 「食中毒を予防しましょう」
いつもいいお医者さんネットをご覧いただき、ありがとうございます。
先日、中山久仁子先生にお会いするため、亀田ファミリークリニック館山へ行ってまいりました。先生がされている「ゆめげんプロジェクト」についてや、家庭医というお仕事についてなど、色々と伺うことができました。なかでも、「家庭医にとって、自分の専門分野は担当している”あなた”なのですよ」というお話が印象的でした。「ゆめげんクリニック」が完成しましたら、このニュースレターでもお伝えしたいと思います。その時にもまた、中山久仁子先生からのメッセージなどを掲載できたら、と考えています。
それでは、今回が最終回となります、中山久仁子先生からのコラムをお届けします。
<館山湾:亀田ファミリークリニック館山前の海岸 > |
■基本的な医療へのアクセスを改善し、一人でも多くの命を救いたい
これまでに6回にわたり、私たちの進めている「ゆめげんクリニックプロジェクト」に関係する内容のコラムを連載させていただきました。
今日はその最終回、「開発途上国との医療協力について」お話しします。
私は子供のころからNGOに協力してアフリカの子供たちの支援をしながら、いつか自分が行って役に立ちたいと思っていました。そして医師になって4年目にアフリカ(マラウィ共和国)の病院にボランティアとして赴くことになりました。わずかな薬を駆使して必死に治療を行う医師、次々と人々が死んでいくため、それに慣れてしまって子供の死に涙を流すこともできない母親。「こんな日常があるのか・・・信じられない」という驚き。「こんなにちっぽけな私でも、なにか自分にできることはないだろうか・・・」という想いがつのりました。さらにその2年後、今度は長期でマラウィの最大規模の国立病院に勤めました。ここでも状況は同じでした。
その経験で感じたのは、日本でもマラウィでも、自分と自分の周りのことをよく知っていて、安心して診察してもらえるかかりつけの医療機関という存在が必要だということでした。近くの医療機関まで歩いて半日かかってくる患者さんがいるほど医療機関の絶対数が足りなく、多くの患者さんは症状が重くなるまで我慢してから病院に来るので、亡くなる方が毎日ありました。もちろん、国際保健機構(WHO)や国の厚生省なども対策を立てて尽力しているのですが、予算、人材、活動に限界があり、田舎に住んでいる貧しい人々にはなかなか行き届きません。
ゆめげんクリニックではこのような開発途上国で医療へのアクセスに困った人々を支援していきたいと思っています。現地での地域に根差した医療活動や、人々が健康になるためにその地域で必要なことを支援したり、途上国で働きたい人々を支援したりしていく予定です。活動の状況はホームページなどで報告して行きますので、どうぞ応援をよろしくお願いします。
話は変わりますが、私はマラウィにいるときに、伝統医療がしっかりと根付いていることに感動しました。いわゆる西洋医学的な科学的根拠のない治療でも、お祈りをしたり、植物などを煎じた薬を用いたり、歌ったり踊ったり、さまざまな方法で患者さんが癒され、沢山の人が体調を回復していました。
私たちの体は、体そのものだけでなく体と心と魂が一体となって構成されています。
そのうちの一つでも調子が悪くなれば、残りの2つも影響を受けます。病院では、つい、体だけを診てしまいがちですが、3つすべてを同時に配慮することが大切なのだと、その思いを改めて強くしました。
「ゆめげんクリニック」は、皆さんの健康をサポートするために「心もからだも自然と元気になる」「地域のよりよい医療のためにワイワイ話ができる」「地域の医療と生活に根ざしつつ、世界ともつながっている」そんなクリニックにしたいと思って活動しています。また、クリニックでは、かかりつけ医としてのいわゆる西洋医学の治療もしっかり行い、代替医療と呼ばれる漢方や鍼灸、ホメオパシーやアロマセラピーなど、皆さんの心と体に合ったケアを行い、病気にならない体つくりのお手伝いをする予定です。
末筆ながら、皆様のご健康をお祈りしております。
中山久仁子
(医学博士、有限会社メファ・マネジメント取締役、亀田ファミリークリニック館山医師)
*****
ゆめげんクリニック:http://jin-i.com/yumegen
ゆめげんクリニック・プロジェクトメールマガジン:http://jin-i.com/yumegen/back-issues
有限会社 メファ・マネジメント:http://mefa.jp/
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食中毒の被害は高温多湿の梅雨から9月頃にかけてがピークです。各家庭での発生が最も多いのですが、その他飲食店・集団給食施設・宿泊施設でも少なくありません。
食中毒の中でも細菌性によるものが90%以上も占めています。
細菌性による食中毒とは、細菌で汚染された飲食物が体内で増殖し食中毒を起こすものです。
夏の暑い気候により体力が消耗し、抵抗力が低下しがちな時期に起こりやすいのも原因の1つです。
食中毒の発生が今まであまりみられなかった冬季(11〜3月)にも、近年の暖房器具の普及と改善により室内温度が上昇したことで食中毒の被害も増えています。
年中油断のできない食中毒ですが、細菌の性質と対策を知り実行することで家庭における被害は十分防ぐ事ができます。
〔代表的な病原体〕
| 腸炎ビブリオ | 海水中に存在し、多くは魚介類・刺身・寿司などが原因です。 熱や酸に弱く加熱調理で死滅します。 |
| サルモネラ菌 | 鶏・牛・豚・ネズミ・ゴキブリなどが保菌しています。 熱に弱く加熱調理で死滅します。 |
| カンピロバクター | 牛や羊の排泄物によって汚染された水が原因です。 鶏肉から検出される事が多く、十分な加熱調理が必要です。 |
| 病原大腸菌 | 人蓄の腸管内や土壌・汚水の中に存在しています。 原因食品として食肉(特にレバ刺し・ユッケ・加熱が不十分な肉)が多いです。 十分な食品の加熱と手指に徹底洗浄が必要です。 |
| ウェルシュ菌 | 人や動物の腸管内・土壌・水などに広く存在しています。 原因食品として市販の食肉・肉類加工品・魚介類の冷凍食品から高い頻度で検出されています。 加熱調理した肉や魚を長時間放置したりせず、冷蔵庫で1日置いても必ず加熱調理を再度行いましょう。 |
| 黄色ブドウ球菌 | 細菌が増殖する時に出る毒素により消化器系、神経系に害を及ぼし食中毒が起こります。 原因食品としておにぎり・弁当・調理パン・煮豆・乳製品などです。 この菌自体は熱に弱いのですが、産出される毒素(エンテロトキシン)は熱に強く100℃ 30分で加熱しても無毒化しません。 毒素が生産される前に加熱をすると食中毒の可能性は減らせます。 食品を取り扱う時は、手指の洗浄と10℃以下の冷蔵保存をし、早めに消費することが必要です。 |
| ボツリヌス菌 | 細菌性食中毒の中でも最も致死率が高く、土壌・水中・海岸に分布し淡水魚・海水魚・根菜類を汚染します。 原因食物として「飯寿司(いずし)」によるものがほとんどですが、ハム・ソーセージからも検出されています。 熱に弱く80℃で30分または100℃で10分加熱すると無毒化します。 |
| バチルスセレウス菌 | 土壌・水・ほこり等広く分布しています。 穀物を汚染しているため、米・小麦を原料とするものが原因です。 食品としてチャーハン・オムライス・焼きそば・スパゲティーなどがあげられます。 加熱調理後は早く消費し、なるべく大量の作り置きを避けましょう。 保存するときは10℃以下とし、長時間の保存はやめましょう。 |
※食中毒の症状の特徴として、下痢・嘔吐・発熱・腹痛・頭痛・血便がみられます。 潜伏時間や回復時間も様々です。
〔対策のポイント〕
◇清潔
1.包丁・まな板・ふきん・スポンジ・たわし・食器などの調理器具は洗剤でしっかり洗いましょう。
定期的に包丁やまな板は洗った後、熱湯をかけたり漂白剤で消毒すると効果的です。
スポンジやたわしは煮沸するとよいでしょう。
2.肉や魚を切った包丁やまな板で、調理済みの食品やサラダ用の生野菜・果物を切らないように
しましょう。食品ごとに包丁・まな板を洗い、できれば熱湯をかけるか、肉・魚・野菜用にそれぞれ
分けて使用するのもよいでしょう。
3.肉・魚・たまごを取り扱う前後には手洗いをしましょう。
4.肉・魚の汁が他の食品に触れないよう、冷蔵庫に入れる時はビニール袋か保存容器に入れましょう。
5.タオル・ふきんは常に清潔なものを使いましょう。
◇迅速
1.肉・魚・野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入し、汁がもれないよう各食品ごとビニール袋に
入れましょう。時間を置かず、まっすぐ家に持ち帰りすぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れましょう。
2.冷蔵庫は細菌の増殖をゆるやかにする10℃以下、冷凍庫は細菌の増殖が停止する−15℃以下
の設定にしましょう。
3.冷蔵庫内の詰め過ぎは冷却が不十分になるため7〜8割程度にし、余裕をつくりましょう。
4.食品の買い溜めをせず早めに使い切りましょう。冷蔵庫内だからといって細菌が死ぬわけではなく、
ゆっくりですが増殖しています。
5.解凍は室温での放置をさけ、冷蔵庫か電子レンジを使い、すぐに調理しましょう。
腸炎ビブリオは8〜10分で2倍、O−157は15〜20分で2倍増殖します。
◇温度管理
1.加熱食品は食品の中心が75℃で1分間以上を目安に行いましょう。
ハンバーグ等の肉料理は薄めに形成すると火の通りが確実です。
電子レンジを使用する場合、加熱むらがあるので途中でかき混ぜるなどの工夫をしましょう。
2.温かくして食べる料理は65℃以上で温かいうちに、冷たくして食べる料理は10℃以下にし
冷たいうちに食べましょう。
3.残った食品は、別の皿か容器に移し放置せずすぐ冷蔵庫へ入れましょう。
温めなおす必要のある食品を食べる時は、75℃以上での再加熱が必要です。
〔食中毒予防をサポートする食品〕
・にんにく、玉ねぎ、ねぎに含まれる「アリシン」には殺菌作用と細菌の繁殖を抑える働きがあります。
・ワサビの辛味成分である「アリル」は抗菌・抗カビ・殺菌作用があります。
O−157・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える作用もあります。
・ショウガの辛味成分である「ショウガオール」には防腐力があり、細菌の活動を抑える働きがあります。
・シソ特有の香り成分「ペリルアルデヒド」は食欲を増進させる他、強い防腐作用をもちます。
・梅干しに含まれる「クエン酸」には抗菌作用があり、サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・O−157にも効果が
あります。
・緑茶の成分「カテキン」には黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオに対して効果があり細菌の増殖を抑えます。
8月は「食品衛生月間」として全国的に各県で食品の安全性を普及させる活動が行われています。
みなさんもこの時期に各家庭での衛生面を再度確認してみてください。
管理栄養士 金本りつ子
次回は8月28日に発行予定です。
ご質問などは随時受け付けておりますので、どんなことでもお気軽にご連絡ください。また、患者さんご自身が体験されたことをメッセージとしてサイトから発信してくだされば、さらに多くの患者さんのためになると確信しています。ご投稿お待ち申しあげております。
平成21年8月14日
キュアグレーズ株式会社
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