働きを知って、
きちんと理解!きちんと治療!
インスリンとは血糖値を低下させるホルモンです。
インスリンは血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞
などに取り込ませ、肝臓や筋肉においてブドウ糖
からグリコーゲンへの合成を促進し、肝臓におけ
るブドウ糖の産生や放出を抑え、脂肪細胞におい
てブドウ糖の利用を促進し、脂肪の合成を促進し、
脂肪の分解を抑えます。
ブドウ糖
ブドウ糖は体を動かすエネルギー源であるとともに、脳の唯一のエネルギー源でもあります。
グリコーゲン
脂肪とともに、グリコーゲンはエネルギー源となるものです。
※グリコーゲンは筋肉が無酸素運動を行う時に必要なエネルギー源で、有酸素運動に切り替わる前の
エネルギー源としても知られています。
適切な治療を妨げるないように、
自己判断しないようにしましょう。
血糖値が高い状態が続くと、すい臓はインスリンを出そうと常に働き続けます。
その結果、インスリンの分泌は徐々に減り、やがては分泌そのものがなくなってしまう危険があります。
インスリンの働きが低下、もしくは無くなるということは、身体の血糖を調整する働きが弱まることで、
血糖コントロールが悪化し血管が傷ついていくために、合併症の進展に大きく影響します。
糖尿病と診断されても、すい臓の機能が十分残っているうちに、より早くインスリン治療を始めて、
体外から注射でインスリンを補充すると、すい臓の負担を減らすことができます。
結果としてすい臓が正常に働けるように戻すことができる可能性もあります。
つまりインスリン治療は、すい臓の働きを助け、その機能の回復を目指す治療法なのです。
インスリン治療というのは本来すい臓で作られて
いるインスリンを、体外から注射で補うという事
ですから、考え方によっては異物である内服薬を
飲むよりもずっと安全なそして生理的な治療法で
あるといえます。
インスリン治療は最後の手段ではありません。
これからも長生きして、しかも合併症がないこと
を目指しましょう。
種類によって作用時間がちがいます。
インスリンの特徴を知っておきましょう。
インスリン製剤は、作用する時間によって次の5つに分けられます。
インスリン製剤の種類と作用時間
食直前に自己注射 注射後、インスリンの作用があらわれるまでにかかる時間は10分〜20分。 インスリンの作用が持続する時間は3〜5時間です。 |
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食直前に自己注射 注射後、インスリンの作用があらわれるまでにかかる時間は30分〜1時間。 インスリンの作用が持続する時間は5〜8時間です。 |
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朝食直前のもの、朝食直前と夕食直前のもの、朝食前のものや、朝食前と夕食前30分以内に自己注射 (超速効型または速効型インスリン製剤と中間型インスリン製剤を色々な割合で混ぜてある製剤です) 超速効型または速効型インスリン製剤と中間型インスリン製剤のそれぞれの作用があらわれるまでに かかる時間に効果がでますが、持続時間は中間型インスリンとほぼ同じです。 |
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朝食30分以内のもの、朝食直前のものがあります(1日の投与回数を増やして自己注射することができる) 注射後、インスリンの作用があらわれるまでにかかる時間は30分〜3時間。 インスリンの作用が持続する時間は18〜24時間です。 |
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朝食前のもの、夕食前のもの、就寝前のもの、朝食前と夕食前のものや、朝食前と就寝前に自己注射 注射後、インスリンの作用があらわれるまでにかかる時間は1~2時間。 インスリンの作用が持続する時間はほぼ1日にわたります。1日中の血糖値を全体的に下げます。 |
インスリンの特徴をきちんと把握し、
低血糖に注意しましょう。
ごくまれですが、
・注射した部位が赤くはれる
・皮膚が硬くなる
・痛みや、かゆみがでる
といったアレルギーが起こることがあります。
(大体使っているうちに消えてしまう人が大部分です)
低血糖の原因
低血糖は副作用でもあり、効果でもあります。
●糖尿病の薬を飲みすぎたとき
●食事の時間が遅れたり、量が少なかったとき
●空腹時に激しい運動をしたとき
●インスリン製剤の量が多すぎたとき
●解熱剤や鎮静剤を使ったとき
●お酒を飲んだとき
●下痢をしたとき
高齢者の方や、肝臓・腎臓の機能が低下している人は
低血糖を起こしやすいので注意が必要です。
インスリン製剤を正しい量で注射していても、食事の間隔が開きすぎて空腹の状態が長く続いたり、
激しい運動をしたりすると、血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖の状態となってしまいます。
低血糖を防ぐには、間食をとるようにしたり、激しい運動をした後は補食をとるようにすることが大切です。
(補食とは、低血糖を防止するためにとる食事(糖分)のことで、指示エネルギーとは関係なく食べます)