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心臓と血管

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虚血性心疾患について

虚血性心疾患の原因

狭心症・心筋梗塞は、血管の動脈硬化、簡単に言えば血液中の脂分が壁に付着し蓄積していくことが大きな原因です。
血管に脂分が蓄積して、血管の幅が狭窄していく状態を狭心症といいます。例えをあげますと、川の中にたまっている砂と同じです。本来大きな川だったところに段々砂がたまってきて、水が流れにくくなり、川幅が狭くなるのが狭心症です。 蓄積した脂分は川の中にたまっている砂と同じですから、溶かす方法はありません。根本的には血管を拡げるというカテーテル治療、もしくは新しい血管、抜け道を造るというバイパス手術をおこなう事になります。




右図に示したとおり、血管の中を赤血球が流れていますが、動脈硬化が進み脂肪分が付着して盛り上がり、血管の幅が狭くなってしまうのが狭心症です。 一方心筋梗塞は、動脈硬化があるところに血栓という血の固まりが詰まってしまって血液が先に流れないという状態になります。 いずれにしても狭心症、心筋梗塞は血管の中に脂分が蓄積して起こる病態ですのでどちらも動脈硬化が大きな原因として考えられます。

  動脈硬化から動脈閉塞へ



虚血性心疾患の前兆、症状について

◆狭心症
狭心症は血管の中で流れる血の供給する量と、心臓の筋肉に必要な血の量のバランスが狂って発生します。
安静時、心臓の動きがゆっくりである時にはあまり多くの血を必要としませんから、狭い血管で血の供給が少ない状態であっても心臓の筋肉は特に安静時には不足していませんから、症状がでることはないという事が多いです。

一方で、労作時といい、例えば階段を上がったり坂道を上ったりという時は心臓も沢山血を送る必要がありますから、心臓の動きも速くなります。 そうしますと心臓の筋肉も沢山の血液を要求する状況になるわけですが、血管の幅が狭いと十分な血液が流れてきませんので、心臓に必要なだけの血液が来ないという状況になってしまいます。 その場合に起こる症状は、典型的には胸全体を手でおさえたように痛くなることがあります。あるいは、坂道を上がったり階段を上がった時に息切れを感じるという患者さんもいらっしゃいます。 ただ、症状が非常に分かりにくい場合もありますので自己判断で胸が痛いのではないから狭心症ではないとは思わないでください。お腹が痛い、歯が痛いと感じる時にも、もしかしたら心臓が悪いかもしれないと考えていただく事が重要です。

◆心筋梗塞

典型的な症状して激しい胸痛、特に冷や汗を伴うような胸痛が起こります。さらに胸が締め付けられる感じがして吐き気がするといった症状が非常に多くなってきますが、狭心症と同じように無症候性という場合もあり、 呼吸困難や、心臓のポンプが弱ってしまった結果、頭の方にも血液が流れず失神することがあります。



症状



虚血性心疾患の危険因子

危険因子としてあげられるのは、まずは高血圧です。血圧そのものも動脈硬化に影響します。
逆に言えば血圧が2.2mmHg、2下がるだけで、動脈硬化が少し減ってくるといわれていますから、血圧は非常に大切な要素です。
他には高脂血症、高コレステロール血症です。コレステロールが高い、特に悪玉のコレステロールであるLDLが高い方と動脈硬化に直結します。
さらには煙草を吸っている方です。これは本数には関係なく、煙草を吸っている事自体が大きな動脈硬化につながります。
特に喫煙と高コレステロールという2つの危険因子が重なると非常に重篤になる事が多くなります。
他には糖尿病も同じく動脈硬化に影響します。糖尿病の怖いのは無症候性といって、無痛性、痛みをあまり感じなくなり、その結果重篤になるまで気がつかない、という事です。

  危険因子

 



虚血性心疾患の危険因子を改善するには

様々な危険因子を改善するという意味では食事の栄養バランスを整えアルコールも適量にする、運動をする、、禁煙をするといった生活習慣を改善していくことが非常に重要となります。   生活習慣改善


虚血性心疾患の治療について

虚血性心疾患の治療には大きく分けて3つあります。内服薬、PCIというカテーテル治療、そしてバイパス手術です。
この3つにはそれぞれ、メリット、デメリットがありますが、動脈硬化そのものを治療する薬は現在ありません。 ですから動脈硬化が非常に軽い段階の場合や、影響の少ない血管に起こっている場合は内服薬で様子をみることも考えられますが、 多くは動脈硬化の状態、場所によってカテーテル治療やバイパス手術といった2つの治療法を検討します。
カテーテル治療やバイパス手術は、血行再建、つまり血管をもとに戻す、あるいは新しい血管を繋げる治療法で、狭心症や心筋梗塞にとっての根本的な治療法として考えられています。