脳の血管の枝分かれしている部分に瘤ができるのが脳動脈瘤です。
この瘤のできる理由は明らかになっていませんが、高血圧や血流分布の異常などの血管壁へのストレスや喫煙、遺伝などによる動脈壁の脆弱性が関連すると考えられています。
脳動脈瘤が破れると、くも膜下出血になります。
まだくも膜下出血を起こしていない状態の脳動脈瘤を未破裂脳動脈瘤と呼びます。
未破裂脳動脈瘤の外科的治療は、開頭クリッピング術とコイル塞栓術の2つの方法があります。
開頭クリッピング術は、脳の手術(開頭術)をして、動脈瘤の根元に金属のクリップをかけることを言います。
コイル塞栓術は血管の中からこの動脈瘤の中に金属のコイルを詰める方法です。
コイル塞栓術の場合は開頭する必要がなく、足の付け根からカテーテルを脳の所へ持っていき、動脈瘤の中にコイルを詰めます。
また、コイル塞栓術は低侵襲であるため、患者さんの体への負担が少なく、体の弱い方や高齢の方にも適しています。しかし、コイル塞栓術は動脈瘤の入り口部分を完全に閉じてしまう開頭クリッピング術に比べて再発しやすい傾向があり、繰り返し治療する必要が発生する場合があります。
開頭術では手術による合併症を防ぐために、運動機能などのモニタリングが日常的に行われるようになり、手術はより安全になっています。