頭の骨には縫合線という溝があります。
縫合線は幼少期には少しずつ開いていて、脳の成長に合わせることが出来る仕組みになっています。
しかし骨が早期に癒合してしまって縫合線がなく、脳が成長できるスペースが制限される子どもがいます。頭蓋骨早期癒合症と呼ばれます。
そういう子どもに骨の溝を作って頭蓋内のスペースを広げ、成長を促す手術などを行っているのが小児頭蓋顔面形成センターです。
脳神経外科、形成外科、矯正歯科が中心になって活動しています。
手術の際は、骨に溝を作っておいて、一つ一つの骨にピンを立てます。このピンで少しずつ脳を引っ張り、頭蓋のスペースを増やしていきます。一定期間の後、これらのピンは取り除きます。
頭蓋骨早期癒合症は比較的まれな病気であり、脳や顔面を含めたいろいろな診療科の関与が必要となる疾患です。したがって、その診療には高度な専門性が要求されます。
専門性の高い多くの診療科によるチームとしての対応が必要です。
このような状況の中で、これらの疾患を扱う病院は全国でも非常に限られています。
当院では、本疾患に対する総合的なチーム医療が確立しており、病状に応じての高度な医療の提供が可能となっています。