MENU

Dr.MICHIYUKI MIYAMOTO's
WEB SITE

宮本 倫行 先生

文字サイズ

脳梗塞の治療について

脳梗塞の検査・診断基準について

 脳梗塞にはいくつのか種類がありますが、どの種類なのかを診断する際に1番重要なのはどういう経過で発症したかということです。突然大きな症状で発症した場合は心原性脳梗塞によっていきなり大きな血管が詰まった可能性が高いと考えることが多いです。反対にゆっくりとした経過、例えば3日や1週間という経過で生じた場合は生活習慣病に関連したアテローム血栓性脳梗塞ラクナ梗塞を疑うことが多いです。

 脳梗塞はできるだけ早く治療を開始することが重要ですので検査もMRIやCTで速やかに行います。

カテーテル治療はどんな時に選択されるのでしょうか

 基本的に脳梗塞には至っていないものの脳に行く血管が閉塞している場合、そしてその閉塞によって症状が出ている患者さんの場合はカテーテル治療の対象となります。これは閉塞原因となっている血栓を摘出すれば症状が改善する可能性があるためです。また、実際はアテローム血栓性脳梗塞(動脈硬化で狭くなった脳の太い血管に血栓ができて詰まってしまう脳梗塞)であっても、太い血管が急に詰まって発症した場合は区別が判断が困難なこともあります。そのような場合にはカテーテル検査を行い、やりながらもしかしたら心原性脳梗塞(心臓でできた血栓が脳まで移動して太い血管を詰まらせる脳梗塞)じゃなくてアテローム血栓性脳梗塞だったのかなと考えて治療方針を変更することもあります。

カテーテル治療のメリット・デメリットについて

 脳梗塞のカテーテル治療というのは2017年の脳卒中ガイドラインで、グレードA(行うことを強く勧められる)になっていますので、基本的にはやったほうが良いということがまず前提としてあります。そして今の技術ではおおよそ10人に9人の方は再開通(詰まっていた血管がまた流れること)が得られるということがわかっています。ただ再開通したら必ず良くなるという訳ではなく、再開通した患者さんのうち元気になられるのは3割くらいの方となります。一方でデメリットとしては10%の出血率があると言われています。出血にもピンからキリまでありますが酷い出血であるとせっかく良くなった症状がもっと悪くなってしまうこともあります。

治療にあたって気をつけていること

 脳梗塞の治療は時間との勝負になります。1秒間に何億個の細胞が死んでいくと言われているので基本的に患者さんに時間をかけて十分に説明をすることはあまり現実的ではありません。そのため十分に理解してもらうことは難しいだろうなと思いながら説明用紙等しっかりしたものは渡しつつ、発症からの経過時間と説明時間とを見て説明をしています。おそらくみなさんほとんどわからないままに同意書にサインされていると思います。十分な説明をご家族の方にできていないという思いと、それでも納得してもらって早く治療を行わなければならないという矛盾した気持ちを抱えながら治療にあたっています。ですのでネットで調べたり、このホームページを読んで少しでも安心してもらえたらいいなと思っています。

患者さんが治療を受けるときに気をつけること

 今脳卒中学会で整備中ではありますが、現時点ではどの病院がカテーテル治療ができる病院かどうかというのが一般の方に開示されていないため、患者さんやご家族の方はその治療ができるかどうかが分からないと思います。一部地域では運ばれた病院から、脳梗塞の点滴治療をしながらカテーテル治療ができる病院へ運ばれる体制が整っているケースもありますがまだ十分でない地域も多いと思いますので、もしこの知識があるのであれば、率直に担当医にカテーテル治療の適応があるかどうか質問することをお薦めいたします。

脳梗塞治療の将来像、理想像

 脳梗塞治療は発症してから治療までの時間を如何に縮めるかというところが問われ続ける問題だと思います。時間の短縮をするためには、人手とスキルが必要です。そうすると医師やスタッフの少ない地方では理想的な時間の治療を行えないかもしれません。そういった事情を払拭するために遠隔医療のような、その場に医師がいなくても治療を行える仕組みができれば、より多くの患者さんに迅速な治療を提供することができるのではないかと思っています。