狭窄症の治療方法のひとつは、直接皮膚を切り頚動脈を出して、血管をクリップで遮断してから血管を切開し、中のプラークというカスを掻き出す内膜剥離術があります。
もうひとつは、風船がついたカテーテルを足の付け根の動脈から入れ、細くなっている部分を風船で広げて広がった部分に、ステントという金属の網を留置し内側から固定するカテーテル治療です。
一般的には頚動脈内膜剥離(CEA)を選択し、内膜剥離術が難しい患者さんにはカテーテル治療(CAS)を適用していますが、最近はカテーテル治療の技術が進歩してきているので、カテーテル治療を先に考える施設も増えてきています。
CEAのメリットとしては、血管の石灰化が強くCASを適用できない症例も適用になる事です。
また、CASに比べて手術中に脳梗塞を起こす確率が少ないことも挙げられます。
デメリットとしては、外科手術ですので傷ができることと、頚動脈狭窄が起こりやすい場所の近くには嚥下を担う神経が通っているため嚥下障害という反回神経麻痺が合併症として出てくる場合があります。
心筋梗塞の合併症率はCASに比べるとCEAの方が高くなります。
頚動脈内膜剥離術(CEA)とカテーテル治療(CAS)では、CASの方が入院期間や社会復帰までかかる時間も短くて済みます。
無症候性の場合はCASだと翌々日には退院できますが、CEAだと1〜2週間は入院になります。
脳梗塞で搬送されてきた場合はどちらもリハビリ期間が長いので、そこまで差はありません。
症候性の頚動脈狭窄症の場合、脳梗塞で搬送されてきた患者さんで、5割以上の狭窄があるときは慢性期に移行したところで早めに頚動脈狭窄症の治療を行うことを考えます。
無症候性の場合は8〜9割以上狭窄しているときに、経過を見てさらに狭窄が進むようであれば治療を行うようにしています。
脳動脈瘤と違い、症候性の狭窄症の場合は治療に関して年齢はあまり考慮に入りません。
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