薬剤を使う方法と、使わない方法があります。
睡眠導入剤、睡眠薬というと飲むのが怖い、何か事件に使われたからなるべくなら使わないほうが良い、と敬遠されがちですが、最近の睡眠導入剤は体にとって悪いことはほとんどないと言って過言でありません。
適切に1種類の睡眠導入剤を正しく使っていれば、まず心配はいりません。偏見をうまく捨てて、かかりつけの医師や睡眠の専門医とよく相談した上で薬剤を使いましょう。
眠りにとっていい生活をおくるということが薬剤を使わないで不眠症を治す方法になります。具体的には、夜に明るい光を浴びて仕事をしない。夜明るい光を浴びる生活をしていると、体内時計がどんどん遅くなって眠れなくなります
。
また、寝る前に目が覚めてしまうようなカフェインを飲まない、アルコールを飲まない、といったことを心がける必要があります。
毎朝決まった時間に起きて朝日を浴びる、これも体内時計を整えるのに欠かせないことです。昼間に運動をしたり、日中メリハリをつけて活動をしたりすることが夜に自然と疲れて眠くなる秘訣です。
昼夜メリハリをつける、こういったことをその人それぞれに合った方法で修正していくことになります。
このような治療を専門的には睡眠衛生指導と呼んでいます。
お酒は不眠のときは、百害あって一利なしといって過言ではないと思います。これは確かに酔っ払ったときは寝つきだけはよくなります。ところが寝ている間にアルコールはさめてきます。酒がさめると、目も覚めてきます。お酒は一般的に4時間程度でアルコールが分解されますので、ちょうど寝るころお酒を飲んでいると、夜中に目が覚めてしまいます。
また、お酒で寝ていると眠りの形が少し変化して、後半にレム睡眠(夢の睡眠)が増え、睡眠の質が悪くなります。さらには、眠るときにお酒に頼っているとお酒の量がだんだん増えて、体を壊してしまう可能性があります。 |