インスリンを知ろう

インスリン治療は早いタイミングで開始

インスリンは効果が高い

「インスリンは最後の砦」とよくいいますが、これは逆にいうと効果が高いということになります。 高い効果を余裕をもって使用することが最も治療の成功に繋がります。 余裕の無いぎりぎりの治療は、その治療が無効になり次のステップ、また次のステップが必要になるため、 時間を浪費している間に膵臓の分泌能力の低下や合併症の進行につながる場合が多くなります。したがってインスリン治療を最後の砦にしないで、早期に使用することにより膵臓の機能を保持し、合併症の進行を防ぐことが大切です。

インスリン治療の正しい理解

インスリン治療は安心な治療

インスリンの場合は注射であることから、痛い、面倒くさい、或いは麻薬のようなイメージで習慣性があるなど、そのように誤解されている方がいます。
しかし、インスリンは元々体内に存在するもので、体内のインスリンの足りない部分を補うということですから、異物である内服薬を飲むよりもずっと安全な治療とも考えられます。
また、インスリン治療は止められない治療ではありません。一部には1型糖尿病のようにインスリンがないと命に関わる患者さんもいますが、多くの2型の患者さんはいつでも止めることができます。後はコントロールの問題で患者さんとご相談という事になります。
禁断症状がでることはありません。

インスリン治療をすると膵臓の出す細胞が怠けてインスリンが全く出なくなるのではないかと心配する方がいます。
正しくは、むしろインスリン治療をすることで良い血糖値を保ち、インスリンを出す膵臓のβ細胞が非常に元気なまま維持されるため、場合によっては働きがより活性化されインスリン治療の必要がなくなることも多くあります。