腹腔鏡手術の特徴
10数年前までは婦人科の手術治療は開腹手術と腟式手術のみでした。ところ
が、1990年前後より一部の施設で腹腔鏡手術が行われたことが端緒となり、
本術式は 「からだに優しい手術(低侵襲手術)」として全世界に波及しました。
現行での産婦人科領域の腹腔鏡手術は、基本的には良性疾患(以下の腹腔鏡手術
の適応疾患をご参照ください)を対象としております。本術式は、入院期間の短
縮と早期社会復帰を目指す低侵襲性治療として位置付けられており、現代女性の
ニーズに即応した先進の手術手法として国内外で高く評価されています。
対象となる患者さん
1.子宮筋腫/子宮腺筋症
2.良性子宮付属器(卵巣)腫瘍
3.子宮内膜症
4.不妊症(子宮付属器癒着、卵管閉塞、奇形)
5.子宮外妊娠など
婦人科良性疾患のほとんどが腹腔鏡手術の対象となります。
実績
我々の腹腔鏡手術の実績は手術件数4,200例を超えており、また東海地方では
最多の5名の内視鏡手術を専門とする技術認定医(日本産科婦人科内視鏡学会技術
認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医)が在籍する施設でもあります。したがっ
て、当施設では質の高い、高度な先進的内視鏡手術を提供できるものと確信して
おります。
腹腔鏡手術の様子
※クリックで画像拡大
腹腔鏡手術は、臍部(おへそ)の周囲から直径5〜10mmのスコープを腹腔内に
挿入し、テレビモニター上に映し出された映像を見ながら操作を行う新しい手術
です。一般的な開腹手術は、図1・図2に示すような15cm前後の皮膚切開で行わ
れますが、腹腔鏡手術は図3に示すような皮膚切開3〜4箇所で行われます。した
がって、腹腔鏡手術は皮膚切開創が開腹手術よりも短小なため美容的にも優れて
おり、手術後の疼痛も開腹手術に比べ軽いのが特徴です。そのため、術後の回復
が早く、入院期間の短縮と早期での社会復帰が可能なことが最大の利点です。
▼図1 横切開 |
▼図2 縦切開 |
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▼図3 スコープを挿入するための皮膚切開部位 皮膚切開は、10〜30mm程度です。 |
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鉗子(腹腔鏡手術用の器具)を挿入するための皮膚切開部位
皮膚切開は、5〜30mm程度です。
※切開長・部位・数(3〜4箇所)は、手術内容により異なります。
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