虚血性心疾患について

虚血性心疾患とは

 心臓という臓器は全身に血液を送るポンプとして、多くの酸素とエネルギーを使い動いています。その心臓へ血液を送る冠動脈という血管が狭くなる、もしくは詰まってきて血の巡りが悪くなった状態を”虚血”と言います。その病気を虚血性心疾患と呼んでいます。


虚血性心疾患の原因

 虚血性心疾患の多くは動脈硬化が血管に起きることが原因となります。動脈硬化はコレステロールが溜まって石灰という硬い部分があり、それを避けた部分の血管に血栓という血の塊が付いているという3つの特徴があります。
 動脈硬化以外の原因としては、高安病や川崎病などの全身の炎症性疾患の結果として起きる場合、心臓の血管が痙攣を起こして一時的に狭くなる場合(冠攣縮)なども報告されています。


狭心症と心筋梗塞

 虚血性心疾患には大きく、狭心症と心筋梗塞があります。この2つは血管が詰まってくるという点から見ると近い病気ですが、実際の患者さんの症状は全く異なります。心筋梗塞は突然心臓の血管が詰まるので激痛が走り、胸が重く締め付けられる感じがします。一方で狭心症は血管が狭くなってはいますが血は流れているので安静時には症状がありません。歩いたり運動をして心臓に負荷をかけると胸の痛みが生じ、休むと5分ほどで治ります。前兆としては狭心症の場合、階段を1回休まないと上りきれないなど、労作時に息切れすることがあげられますが、心筋梗塞の場合、前兆を自覚することはあまりありません。