腹部大動脈瘤とは動脈硬化が原因で大動脈がこぶのように膨らんだ状態です。直径が5cmを超えると破裂の危険が増大するため、治療が必要となります。従来は人工血管で大動脈を置き換える手術が標準的でした。ステントグラフトは大動脈瘤の新しい治療法で、金属製のステントという器具を人工血管でカバーしたもの(ステントグラフト)を、細く折りたたみ、大腿の付け根の動脈から挿入した径7〜8mmのチューブを通して大動脈瘤の中に留置するものです(図1)。開腹、開胸が不要のため、外科手術のリスクの高い方にも比較的安全に施行できます。ステントグラフト留置後は動脈瘤が血栓化し、破裂が予防できます。 対象となる患者さん 手技の様子、実績 |
▼図1.ステントグラフトクック社資料より |
▼図2.ステントグラフト治療の状態(右から2人目が筆者) |
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▼図3.腹部大動脈瘤のステントグラフト治療前(左)と治療後(右)のマルチスライスCT像 |
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