石口恒男先生のウェブサイト

動脈閉塞のステント治療

動脈硬化によって骨盤や下肢の動脈が狭窄(狭くなること)したり、閉塞(詰まること)して血液の流れが悪くなると、足が冷たくなる、歩行中にふくらはぎが痛くなる、などの症状が起こり、ひどくなると痛みが続き、足に潰瘍ができたり壊死になることもあります。このような病気を閉塞性動脈硬化症と呼びます。これらの動脈閉塞の治療にステントを使用します。ステントとは、血管の中に留置して拡がった状態を維持する金属製の円筒形の器具で、局所麻酔下に大腿の付け根から挿入します。従来は比較的長い病変にはバイパス手術が必要とされていましたが、最近は技術の進歩により10cm以上の長い病変でもIVRによる治療が可能です。

対象となる患者さん

上記のような症状があり、骨盤や下肢の動脈の狭窄または閉塞がその原因と考えられる方が対象となります。原因を調べるためには、下肢血圧の測定、CT、血管撮影などの検査が必要です。

手技の様子、実績

病院内で血管外科、循環器内科、腎・膠原病内科などと密接な協力体制のもと、年間数十例のステント治療を行っています。様々なIVRの技術を駆使して治療を行いますので、ほぼ全例に成功しています。長い閉塞で他の施設ではうまくいかず、私たちに紹介していただいて成功した方も少なくありません(図2)。また、腎臓の動脈の狭窄(高血圧や腎機能低下の原因となる)、腕の動脈あるいは頚部の動脈の狭窄にも同様の治療が可能です。


▼図2.右腸骨動脈の閉塞と左腸骨動脈の狭窄(左)に対して、ステントを留置し、血液の流れが改善している(右)

ステントグラフト


 

 

 

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