先天性心疾患

閉塞性動脈硬化症とは

 この疾患は最近では末梢動脈疾患と総称されるようになりました。閉塞性動脈硬化症は四肢の血管の動脈が動脈硬化で狭くなったり、詰まってしまう病気です。症状としては軽いものであれば100メートルほど歩くと足が痛くなり休むと楽になるもの(間欠性跛行)。これが進行すると連続で歩ける距離が短くなってきます。さらに進行すると安静にしていても足が痛む安静時疼痛という症状が出てきます。この症状が出てくるとかなり重症になった証拠です。最重症になると足に潰瘍が出たり、壊死したりしてしまいます。

 

閉塞性動脈硬化症の予後について

 この閉塞性動脈硬化症は主に足の病気ですが、足に動脈硬化がくると、実は全身の動脈硬化が進んでいることの1つの現れだということが最近わかってきています。足に動脈硬化がある患者さんの多くに心臓か脳にもまた動脈硬化があるということがわかってきました。ですから足の動脈硬化を見つけた時は心臓や脳が大丈夫かどうかを調べることが必要です。
 閉塞性動脈硬化症のため足をひきずりながら歩くようになってしまった患者さんの5年生存率は乳癌より悪いと言われています。足の動脈硬化と聞くとそれほど怖い病気ではないのではないかと思われがちですが、しっかり治療すべき病気であるということを意識しておく必要があります。