通常血液は動脈から細い毛細血管を通って静脈へと流れています。脳動静脈奇形は、脳の血管の一部分が毛細血管がない状態で動脈と静脈が直接つながってしまっている血管の先天性疾患です。
この病気ではつながっている動脈と静脈は血管の塊を形成します。これをナイダスといいます。血液が動脈から直接静脈へ流れることによって、強い血流がナイダスや静脈に流れ込むこととなり、血管に負担をかけることになります。負担が強くなり血管が破れて出血してしまうと、くも膜下出血や脳出血を起こします。脳出血を起こし、病院で検査をして初めて脳動静脈奇形がみつかる場合も多くあります。
破裂・出血していない場合は無症状の場合が多いですが、てんかん発作の原因となることもあります。脳出血が起きている場合には、頭痛や神経症状(体の麻痺、言語障害、視野障害など)が見られます。意識消失や痙攣などのてんかんの発作を起こし、原因を調べたら脳動静脈瘤奇形だったということもあります。また脳ドックなどで、無症状のうちに発見されることもあります。
未破裂脳動脈瘤と比べると、比較的若いうちに発症する人が多いといえます。出血してくも膜下出血や脳出血を起こした場合には、後遺症が残ったり、一割の患者さんは命を落とされています。また、てんかん発作を引き起こした場合は、それがもとで交通事故を起こし命を落とす危険性もあります。
画像検査(CT、MRI、脳血管撮影)によって脳の血管の状態をみて診断します。
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