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高血圧の診断と測定

高血圧の診断

血圧は物質ではありません。心臓は1日に約10万回鼓動しているのですが、そのたびに圧力がかかり、血圧が上がり下がりします。一番押されて上がった血圧が最大血圧で収縮期の血圧、最も降下した時の血圧が最小血圧と言い拡張期の血圧です。すなわち収縮期と拡張期、血圧が2種類ありますが、それは毎回違います。10万回すべて違いますが、リスクの評価は平均値で診断します。平均が、自宅で計測する場合は上が135、下が85です。それを超えた時に高血圧と診断することになります。 しかし、現在では平均だけではなく、変動ももう一つの重要なリスクと言われています。例えば、平均値が同じ人でも、変動の大きい人のほうがよりリスクが高いということになります。血圧を見る上において、一つは平均、もう一つは変動幅、この両方を見る必要があります。


血圧の計測時間は?[寝る前にも朝との比較のために必要][起床後1時間以内(朝食前で薬を飲む前)]

血圧の測定

心筋梗塞でも脳卒中でも起こりやすい時間帯というものがあります。通常、夜は発症頻度が少なく、朝に頻度が増えます。脳卒中、心筋梗塞ともに朝起きてから1時間以内は一番リスクが大きいと言われています。ちょうどその間に血圧が大きく上がる時間帯と重なります。

従って、一番リスクの高い時間帯の血圧を規則的に測っておくことが最も大切です。家庭血圧では起床後1時間以内、そして座って安静にして2〜3分経ったくらいの時点で測定することが理想です。食事をしたり薬を飲むと血圧が変動しますので、ちょうど朝食前で薬を飲む前に計測をすることをおすすめします。また、膀胱が張っていると股間神経が緊張し、血圧に影響しますので、排尿後も心がけて頂くと良いと思います。このような時間帯に、可能であれば毎朝測ったほうが良いです。

朝の血圧は前の日の睡眠状態を知る参考になります。睡眠状態が悪いと朝の血圧が上がることがあります。従ってまずは朝の血圧を起床後1時間以内に毎朝測定することが一番大切なことです。

それだけではなくて、できるなら、寝る前にも測定していただきたいと思います。寝る前と朝との比較も重要な指標となります。モーニングとイブニング、この差、MとEのME差と私は言っておりますが、ME差が大きい人は平均値とはまた独立してリスクになると言われています。そのため、寝る前と朝1時間以内を含む1日2回測定してもらうのが、スタンダードな測定法です。 1週間のうちに少なくとも3日以上測定して、その値を医師のところへ持って行って頂くと効果的な治療を受けられると思います。