不眠症と糖尿病の関係

◆I型糖尿病

I型の方は生活習慣があまり関係のないインスリン依存性の若年発症の糖尿病です。
しかし、40代、50代になって急性のすい臓炎などで、すい臓の細胞が破壊されてI型の糖尿病になる方がいます。

糖尿病の合併症の割合

こういった方たちは睡眠障害や、うつ病の合併がかなり多くなっています。
I型糖尿病ではうつ病の合併が3割ぐらい、II型では2割ぐらいと言われていますが、I型の方の不眠の出現率は4割から5割ぐらいで、II型の方が3割から4割ぐらいです。
そういう意味では糖尿病の方は生活習慣病が関連しているII型であっても、直接は生活習慣病が関係していない増悪因子であるI型の方も、睡眠障害の合併が非常に高くなります。
睡眠障害を併発すると糖尿病がなかなか良くならないということがあります。

◆II型糖尿病

最近生活習慣病で多いのは二型糖尿病という、夜食を食べて太り肥満になった結果糖尿病になる方です。そのような方たちは睡眠時間がとても短い傾向にあります。
II型糖尿病の方たちは睡眠時間が短いため睡眠不足が続き、昼間眠くなります。昼間眠くなると、夜眠れなくなります。
昼間眠いという訴えで外来に来られる方には、不眠を改善するためにしっかりと睡眠薬を飲んでいただくようにしています。
加えて糖尿病治療である、運動療法や食事療法をしていただきます。
肥満のあるII型の方は睡眠時無呼吸症候群の合併もあり、睡眠薬が効かないI型で肥満の方は無呼吸のチェックをする必要があります。
無呼吸が見つかると同時に慢性の原発性の不眠症を併発している場合があるため、睡眠時無呼吸症候群の治療と睡眠薬療法をしているII型の方たちがいます。

◆不眠症状と血糖コントロール

不眠症状の場合と、仕事が遅くなって夜寝たくても眠ることができないで睡眠不足になる場合があます。 この、不眠症と睡眠不足の判別が非常に難しいのですが、適切な睡眠をとらないでいると血糖コントロールがうまくいかないということは、1日8時間寝る人で健康な人を4時間しか寝かせないで、起床時の血糖値を測定すると、血糖値が上がりインシュリン抵抗性が高まっていたというデータがあります。この場合は不眠症ではなく、強制的な睡眠不足状態にしたということですが、その結果確実に糖尿病に関連する機能に異常が起きる、そういうデータはたくさんあります。 ピッツバーグ大学のダニエル・バイジーという人が1992年に不眠症の評価尺度というものを作って、この20年間世界中にそれが普及しています。ピッツバーグの不眠症の評価尺度(PSQI)の点数が悪化するごとにヘモグロビンA1cの値が2%ずつ悪くなるというエビデンスも出ており、不眠の重症度と糖尿病のある人の糖尿病の重症度というのが確実に相関するというデータも出ています。そういう点では、糖尿病自体は不眠が直接の原因ではないのですが、不眠を治すことによってなかなかコントロールできなかった糖尿病の人が治せるということも明らかになっています。

不眠症の改善 糖尿病治療への間接的なアプローチ