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治療

リウマチ治療のゴール

リウマチ治療を大きく進歩させたひとつは生物学的製剤の登場にあると思われています。
これまで、リウマチ治療というのは基本的に3つの大きな時代の流れを経てなされてきました。
第一世代である、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド剤
第二世代である、メトトレキセートを中心とするDMARDs
第三世代である、生物学的製剤
となります。



生物学的製剤の歴史

3つのゴール設定

生物学的製剤の登場によって、関節リウマチの治療のめざすゴールが大きく変わりました。生物学的製剤のめざすゴールは、これまでの痛み、腫れをとる、或いは患者さんの免疫を是正するというところから、3つの大きな目標が達成できそうだと言われるようになりました。
一つは臨床的寛解と呼んでいます。
これは、患者さんの関節炎を押さえ込み、腫れをとり、痛みをとることを目標とします。
二つめは構造的寛解です。
これは、関節破壊の進行擁護、阻止、或いは一度痛んでしまった関節をもとへ修復させることを目標とします。
そして三つめは、機能的寛解です。
これは、患者さんが健康なときに日常的に行われた生活の改善、維持といった生活をしていく上での健常人としての生きざま的なものを目標とします。

この臨床的、構造的、機能的寛解ができそうになってきたことから、さらに上の寿命の延長や余命の延長など、リウマチの根治がゴールのひとつとして見えてきました。