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宮地 茂先生

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脳血管内治療

脳血管内治療とは?

こわい脳の病気といえば、脳卒中と認知症ですね。認知症は神経細胞の病気で、薬で直すのが主ですが、脳卒中は脳の血管が破れたり詰まったりする病気ですから、傷んだところを修繕する必要があります。それを、頭を開けて処置をするのではなく、カテーテルという管を脳の血管の中にいれて治療するのが脳血管内治療です。

どんな病気に役立っているのか?

1)寝たきりにさせない治療

脳卒中の中で最も多いのは脳梗塞、つまり脳の動脈が「詰まる」ことで脳が壊死して機能がなくなってしまう病気です。手足が麻痺して寝たきりになることも多いですね。特に高齢者の方に多い心房細動という不整脈があると、心臓の中で血が固まってしまい、そのかたまり(血栓)が脳へとんでいって大事な血管を塞いでしまいます。脳に血が来なくなると、刻々と脳細胞が死に至るので、できるだけ早く再開通させなければなりません。t-PAという血栓を溶かす薬を使っても再開通できない場合には、カテーテルを血管の中に入れ、網のようなもので根こそぎ取り除く「血栓回収療法」という治療が出てきました(図1)。これにより8割以上の患者さんの再開通に成功し、4割近くの人が元の生活に戻れるようになっています。

2)脳卒中にさせない治療

脳卒中は「中(あた)る」という言葉通り突然やってきます。中でも死亡率が5割という最も恐ろしい脳卒中であるクモ膜下出血は、大部分が脳動脈瘤の破裂で起こります。脳動脈瘤を未然に処理しておくことで、破裂を防ぐことができます。金属のコイルをいれて動脈瘤をつめる塞栓術が一般的ですが、メッシュの筒をいれて血管の通り道を作り、大きな動脈瘤を自然に固めてしまう方法もあります(図2)。

また、近年欧米型の食生活になって、動脈硬化のために脳に向かう血管が細くなってしまう人が増えています。特に内頸動脈という重要な血管が狭くなると、脳に血液が行かなくなって脳梗塞をきたす危険性が高くなります。最近はステントという金属の網でできた筒をいれて血管の中から形を整えます。この治療は、足の付け根からカテーテルをいれて1時間ほどで終了するため、首に傷が残ることもありません。

エキスパートによるオールラウンドな治療

愛知医科大学病院には、脳血管内治療指導医1名、専門医2名がおり、図2でお見せしたような限られた施設でしか認められていない最新の治療についても行うことが可能です。今秋には治療時に使用する血管撮影装置も新調されますので、多くの経験の中から得られた治療リスクの的確な把握に基づき、最良で安全な治療法を提供できるように心がけてまいります。皆様の温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

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