血管内治療の基本は、狭くなって細くなってしまった血管を内側から風船で拡げる治療になります。
しかし、もともと6mmという細い血管がさらに細くなってしまっているので血管の狭いところを拡げただけではすぐ戻ってしまったり、血管の内側に亀裂が入って結局血流がよくならなかったり、という場合があります。
そういった場合にはステントという金属のチューブを内側から留置することになります。
現在の日本では風船とステントの組み合わせで治療する場合がほとんどですが、今後は血管の再狭窄を防ぐ薬剤を塗った風船やステントが出てくる予定があります。
また、狭くなっている組織を光で蒸散させて拡げるレーザー治療もこれからできるようになる可能性があります。
血管拡張前 |
血管拡張後 |
血管内治療のメリット
血管内治療のメリットは、非常に短時間で麻酔を使わないで治療することができることです。局所麻酔で治療ができ、大きな切開の傷を作らないですみます。
元々血行が悪い場所の手術で傷を作るとその傷が治りづらいというのが、こういう病気をお持ちの患者さんのリスクです。
ほとんどの患者さんは心臓に病気を持っている、糖尿病で脳梗塞の既往がある、透析の患者さんなどの全身麻酔に向かない方になります。
メリットは圧倒的に患者さんに対して優しい、負担をかけないでできる治療ということです。
血管内治療のデメリット
デメリットは再狭窄です。
せっかく患者さんが歩ける体を取り戻したのに、1 年後くらいにまた同じ症状になってきて再度治療をすることになる場合があることが一番のデメリットです。