病名:ベーチェット病
治療薬: プレドニゾロン 6 mg/日、コルヒチン 2 mg/日、
リウマトレックス 6 mg/週、ワーファリン 1.5-2 mg/日
現在、工業系の事務職とし勤務していますが、体調に変化が現れ始めた頃は、現場勤務でした。残業続きで、疲れも重なり、『どうも夜になると右足がむくむなあ』と感じ始めていましたが、この体のシグナルを病気と結びつけるのは当時考えられませんでした。
しかし、だんだんと痛みを伴い激しくむくみはじめ、腰や股関節にも痛みが出てきました。はじめに受診したのは自宅近くの「整形外科」でした。足は腫れている、熱も微熱続く、痛みが強くあるという事から、どこかで炎症をおこしているのだろうといことで、点滴を2日に1回開始しました。しかし体調は悪くなるばかりで足のむくみも膝が曲がらなくなる程になり、1週間通った後、総合病院へ紹介されることになりました。
2005年4月、紹介状を手に川崎医大附属病院を受診しました。
当然、「整形外科」に行くのだろうと思っていた私は、「血管外科」に回されたとき初めて自分の体に不安を覚えたのです。
原因を見つけるために検査入院という事になり、検査入院となりました。右足の深部静脈の血栓が発見されたのです。
このとき見つかった血栓は深部静脈に広範囲にあり、表在静脈のほうにも血栓ができておりました。
自転車で病院まで来たのに?本当? にわかに信じ難い気持ちで一杯でした。もちろん入院は1泊2日のはずが治療のための約3週間の入院となってしまったのです。
点滴の投薬と平行して、ワーファリンの服用も始めました。
集中的な治療の甲斐もあり、痛みや激しい腫れは時間とともに鎮まっていきましたが、詰まってしまった血管がすぐに流れるようになることはありません。
腫れが多少おさまった状態での退院となりました。
しかし、このときの入院では原因追及の為の検査は色々としましたが、まだ自分がベーチェット病だということはわからなかったのです。
退院した私は、1週間後、再び会社に復帰しました。
足の状態はよいとはいえませんでしたが、正社員としての責任があったと思います。
弾性ストッキング(血栓防止用のストッキングで現在も睡眠時以外は着用)をはき、腫れをごまかしながら働いていました。
結局無理をしたため、元の職場に復帰して3日後、再び症状が悪化してしまい、再入院となってしまったのです。
同じ右足に血栓ができて詰まっていました。
2回目の入院です。
入院期間は2週間ほどで症状も落ち着き退院することができが、『なぜワーファリンも効いているのに血栓が出来るのだろう』と腑に落ちないのを血管外科の主治医とともに感じながらの退院でした。
仕事内容も現場中心から事務中心の内容に変更してもらい、
今度は自分自身も注意しながら約1年、上手に薬とも付き合いながら小波はありましたが生活していました。慣れてくると無理をしてしまうもので、残業をはじめたのです。少し忙しさを感じ始めた頃、今度は左足が腫れてきたのです。『何で?詰まるのなら右足でしょ?左足まで詰まるの?』と不思議でなりませんでしたが、すぐに病院に行って検査をすると案の定、左足が詰まっていました。これが3回目の入院です。
ワーファリンのコントロールはきちんと出来ていましたので、ただの血栓症だけではないと感じた医師から、入院して数日後『過去に口内炎とか出来たことない?』聞かれたのです。
実際、血栓症が出来る前から口内炎には困らされた記憶があったし、入院の前にも出来ては治まりをしていたので『口内炎はよくできますよ、1度に何個も出来て、ドラックストアで口内炎パッチを買って貼ったものですよ』と答えました。
この言葉ではじめてベーチェット病が病名として私の前に突如現れたのです。
すぐに「リウマチ・膠原病科」に紹介され、担当医が病室まで足を運んでこられ、ベーチェット病の説明を受けました。
ベーチェット病、私の場合は血管病変が強いので、「血管ベーチェット」ともいうということでした。
一通りの説明を受けた私は、今まで原因が分からずに血栓を繰り返し、結節性紅班や静脈炎、口内炎といったものの根源が明らかになったことで気持ちに整理がついた感じでした。
ベーチェット病と診断がついてからは、診療科も「血管外科」から「リウマチ・膠原病科」へと移り主治医も代わりました。
治療のほうはステロイドとコルヒチンがメインとなり、ワーファリンも血栓防止のために続けています。
私がベーチェット病と診断を受けてから、主人がとても協力的になり、ベーチェット病の事も沢山調べてくれて、『完治はないけど自分と薬と上手にコントロールして生活すれば今までとおりの生活をおくっていけばいいのだ』という風に考えれるようになりました。
また、「ベーチェット病友の会」をインターネットで知り、主人が患者・家族交流会に出席してみようと背中を押してくれました。
友の会では同じベーチェット病患者の方々の色々なお話しを聞くことが出来て、とても有意義な時間を持てるようになりました。
現在は、関節痛や体がだるい、体調の波はありますが、入院まで至ることなく、薬のコントロールで体調の維持がでていますし、仕事も続けられています。
ベーチェット病とはこれからもずっと付き合っていかなければ
ならないのですが、けれども悲観する事もなく生活出来ているのは、周囲の環境や人にとても助けられているからだと思います。そういうことを感じながらこれからも過ごせたらと思います。