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治療

漿膜筋層弁移植術

瘻孔とは体に異常な交通ができ“穴”が確立してしまった状態です。たとえば気管支と皮膚が交通すれば皮膚から息が出入りします。また、膀胱と腸がつながれば尿にガスや便が混じります。原因としては炎症、感染、腫瘍、放射線などがあげられます。このような異常な“穴”は治療が困難なことが多く、直接縫合してもなかなか閉鎖しないことが多いとされます。漿膜筋層弁移植術は胃や腸の壁を形成外科的に血流を保ったまま移動させ“穴”を閉じる方法です。胃や腸の壁は治癒力が強く、感染に抵抗性があり、物理的な強度をもちます。他の方法でうまく“穴”を閉鎖できないときに頼りになります(一般的な手術ではありません。他の方法で治療できないときや再発した時、腸の関与した瘻孔などが手術適応です。少数例ですが文献上世界最多の経験です)。

■ 対象となる患者さん

 難治性の瘻孔

■ 文献ご紹介

 ・Moriura S et al
  A Pedicled Jejunal Seromuscular Flap for Bronchocutaneous Fistula Ann
  Thorac Surg 59: 1568-1570, 1995. (気管支瘻に対する有茎空腸弁)
   http://ats.ctsnetjournals.org/cgi/content/full/59/6/1568 (全文掲載)

 ・森浦滋明 他
  有茎漿膜筋層胃弁と大網による completion pneumonectomy 後の
  遅発性気管支瘻閉鎖呼吸器外科会誌 9: 87-90, 1995

 ・Oshiro T, Moriura S et al
  Closure of Duodenocutaneous Fistula due to Recurrent Colon Cancer with
  a Pedicled Jejunal Seromuscular Flap.  Surg Today 36: 941-3,2006
   (再発大腸がんによる十二指腸皮膚瘻を空腸漿膜筋層弁で閉鎖)
   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16998693

 ・Moriura S et al
  Pedicled seromucular flap to close fistula.
  Proceedings of 35th World Congress of the International College
  of Surgeons 271-4, 2006