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心臓の病気

閉塞性動脈硬化症

JET

 

動脈硬化


コレステロールとの関係

  コレステロール値と心臓病(虚血性心疾患)の間には深い因果関係があります。
総コレステロールやLDL(悪玉)コレステロールの値が高ければ高いほど虚血性心疾患を発病する率が高く、HDL(善玉)コレステロールの値が高いほど発病率が低くなります。


動脈硬化の危険因子

(1)高血圧

(4)糖尿病

(2)脂質異常症

(5)喫煙

(3)肥満

(6)ストレス

などが動脈硬化の危険因子となります。



  コレステロールが多いと動脈硬化を起こしやすく、狭心症や心筋梗塞になりやすくなりますが コレステロールは細胞膜を形づくり、私たちの身体にとって必要不可欠な成分であります。 なぜコレステロールが動脈硬化をもたらすのでしょうか。 動脈は内側から順に内膜、中膜、外膜という3つの層からできています。 内膜は内皮細胞でおおわれ、血液が固まらないようにしたり血管を拡げたりして動脈硬化から血管を守っています。

  ところが、高血圧や糖尿病などによって血管に負担がかかり続けると内皮細胞に傷がつき、動脈硬化を防ぐ働きが失われてしまいます。 そうなると血液中のLDLが内膜に入り込み酸化LDLに変化します。 その酸化LDLを処理するため免疫細胞である単球が内膜に入り込みマクロファージに変化し酸化LDLを取り込み、やがて死滅します。 その結果、コレステロールや脂質がお粥のようなどろどろした沈着物がたまり内膜がどんどん厚くなり、プラーク(粥腫)を形成します。

  プラークができた結果血管が狭くなり血流が悪くなります。
さらにプラークが破れてしまうと破れた所を補修しようとして血の固まり(血栓)ができて血流が途絶えてしまいます。
その結果が心筋梗塞や脳梗塞となります。