

重症虚血肢は患肢の著しい血流の低下により跛行症状がさらに進み足の切断や生命の危機に瀕している重篤な状態です。
重症虚血肢になりますとほとんどの場合安静時にも足が堪え難いほど痛みます。痛みは下肢が低い位置でなくなる時に起こりますので、夜間寝ている時に起こることが多くなります。
ただ、糖尿病を合併している場合、痛みを感じない事も多く、足の壊疽がすすみ非常に痛そうに見えてもご本人は痛みを感じないこともあります。
閉塞性動脈硬化症から重症虚血肢にすすむ発症リスクは糖尿病の場合4倍、喫煙習慣は3倍になります。また、脂質異常症で高齢者(65歳以上)で2倍となります。

重症虚血肢は足の切断を迫られた危険な状態ですので、薬物療法のみでは症状の改善は望めず、早期の血行再建と創の処置が必要となります。
重症虚血肢に対する薬物療法はあくまで補助療法となり、早期の血管造影、血行再建、創の状態の評価・処置が優先されます。
治療にはチーム医療が重要となり、形成外科、循環器科、血管外科、糖尿病科、腎臓内科、感染症科、看護師、薬剤師、リハビリテーション技師、臨床工学士、栄養士、義肢装具師などの
協力が必要となります。