インスリン治療を始める時期

インスリン治療が必要になる患者さん

一般的には、2〜3種類以上の経口薬を組み合わせてもうまくいかない場合に
インスリン治療を考えることになります。

インスリン治療は早い時期に開始することが理想

ヘモグロビンA1cが高くなってからインスリン治療を開始しても、ヘモグロビンA1cの目標値を達成することは困難です。
網膜症を抑えるためにはヘモグロビンA1c約7%が重要な基準値ですが、9%から開始をしても7%を切ることは難しいとされています。8%を超えた段階でインスリン治療を開始して、6%台、7%台に下げることが重要ですので、 インスリン治療は比較的早い時期に開始するべきだと思います。

 

経口薬よりも前に開始する場合

インスリン治療を最初から行うことによって、膵臓のβ細胞機能が保たれるという論文がいくつかあります。
最初にインスリン治療をするのは悪くないと思います。しかし、インスリン治療そのものは面倒でも煩雑でもない治療といっても、1日の外来診療の中で全ての患者さんにインスリン治療を勧めるというのは実際には簡単ではありません。