小濱 忠一
TADAKAZU OBAMA
Dr.Tadakazu Obama’s Web Site 小濱歯科医院 / 院長

インプラントについて

インプラントとは

 チタン製の人工の歯根を骨の中に埋め込み、その上に人工歯を被せて失くした歯を補う治療法をインプラント治療といいます。
インプラントのシステムは大きく分けて、
■骨の中に埋め込む部分
■被せる歯の土台となる部分
■被せる人工歯の部分
から出来ています。インプラントシステムにはさまざまなものがありますが、当院ではオッセオインテグレーションと呼ばれる骨としっかりと結合する歴史的にも安全性の高いものをベースとしたシステムを使用しています。その中でもワールドワイドで一般的に使用されているストローマン社製のシステムを採用することによって、患者さんが転居・転院した場合などでも対応しやすいようにしています。


 治療のメリットは、生活の質の向上です。入れ歯と比べたら機能的にもよくなります。インプラントは歯を失った「そこだけ」の処置で済むこともメリットといえます。デメリットとしては、稀ではありますがチタンアレルギーが起きてしまう場合があります。あらかじめ、アレルギーに関する検査をしておく必要があります。


インプラントの治療

 お口の中だけを診させていただいてインプラント治療は出来ないと判断する人は基本的にはいません。しかし、患者さんがお持ちの治療へのリスクを探っていくことにより、どのような治療が適しているかを考える必要はあります。例えば歯周病の方は、インプラントを支える顎の骨に炎症が起きるインプラント周囲炎になりやすく、その場合、最悪インプラント自体を喪失する可能性もあります。また糖尿病を持病とする方も歯周病になりやすいため、治療の危険因子となります。歯茎の幅が足りない、埋め込むための骨がないなどの理由によって、移植などインプラント治療を行う前に対処が必要な方もいます。インプラント治療は手術を伴うため、全身的な問題で治療が危険な場合もあります。インプラント治療の方法としては、通常の被せものと同様にセメントを使って固定してしまう方法と、ネジ式で取り外し可能な方法があるため、患者さんを取り巻く環境によって治療方法を選択していくことが大切です。

 インプラントは、3本歯がなくても患者さんの骨の状態によってはインプラントは2本だけで3本の歯を被せることもできます。骨の状態がよくなければ1本に対して1本が必要であったり、患者さんのケースによってさまざまです。抜歯して何年も経ってしまった後にインプラント治療を希望する場合は骨の状態が重要となります。歯を失った部分の骨は萎縮し柔らかくなってしまうため、インプラントに適さないことがあり、その場合は骨を移植して行うことになります。

 治療には手術の回数により、1回法と2回法があります。一度でインプラントを埋め込んでしまうのが1回法と言われるものです。一度目はインプラントのみ、二度目の手術時にはアパットメントと呼ばれる歯の土台となる部分を埋め込む、と分けて行う方法が2回法です。これは患者さんの骨の状態によってどちらの方法で行うかが決まります。当院では手術時に、3D画像によりインプラントを埋入する箇所をシュミレーションできる、ガイデットサージェリーを用いています。より正確で安全な治療が可能であり、歯の状態によって使用の有無を判断することによって、今では約半数の患者さんに使用して治療を行っています。

   治療後のメンテナンスについては、当院の場合、通常2,3ヶ月に一度通院していただき状態を確認します。複雑な治療をした場合は月に一度の方もいます。被せているものは車のタイヤと同じで消耗品です。噛み合わせによって個人差はありますが、10〜15年で交換する必要があります。また、患者さんによる日々のメンテナンスがとても重要です。歯周病からインプラント周囲炎を起こすとせっかく治療したインプラントを失いかねません。


治療に際して

 インプラント治療をお考えで来院された方には一回目で検査をし、二回目でご説明させていただき、治療に入るというプロセスとなります。インプラント自体を悩まれている方には治療方法、期間、金額などもご説明し、お考えいただきます。 治療期間は患者さんの状態によってさまざまと言えますが、2ヶ月から最長で1年半くらいかかった方もいます。長期に渡る患者さんに対しても仮歯や入れ歯を使うことにより、QOL(Quality of Life)を下げることなく治療を進めていきます。