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頚動脈狭窄症の治療

頚部頚動脈硬化の治療 - 内膜剥離術(CEA)とステント留置術(CAS) -

頚部頚動脈狭窄の治療は、狭窄率の少ないものに関しては禁煙や生活習慣の改善が第一ですが、狭窄率がある程度以上になると一定の割合で脳梗塞を生じるため治療適応となります。

適応基準を満たす場合に2つの治療法があります。

1つは、頚部頚動脈狭窄に対して、頚動脈を切開して動脈硬化を取り除く内膜剥離術 (CEA)であり、もう1つの方法は、血管内からカテーテルを用いて狭窄部にステントという金属のメッシュ状の器具を挿入した上で拡張して留置する方法(CAS)です。

動脈硬化を壁に圧しつけて潰すイメージです。最近では症候性頚動脈狭窄症(Lancet 375;985-997.2010/ICCS)、70歳以上の高齢者における症候性頚動脈狭窄症(Lancet 2010)において頚動脈ステント留置術(CAS)より頚動脈内膜剥離術(CEA)の方がより安全で脳梗塞予防効果が高いという報告が相次いでいます(N Engl J Med 2006/EVA-3S、N Eng J Med 2010; 363:11-23/ CRESTなど)。

CEAでは術後の虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)が重大な合併症の1つですが、当院では術前に全例循環器内科に虚血性心疾患のスクリーニングを依頼しています。

もし冠動脈狭窄病変があればCEAの前に治療していただいています。

虚血性心疾患の管理を行うことで80歳以上の高齢者においても安全にCEAが施行でき、当科では年齢制限を設けず頚動脈狭窄病変に対してはCEAの積極的な治療対象となると考えています。