関節リウマチと生物学的製剤

 関節リウマチの関節では、TNFαという物質やIL-6という物質が多量に産生されています。それらの物質は免疫機能や炎症反応に関わる炎症性物質で“サイトカイン”と呼ばれ、関節リウマチが起こるメカニズムに大きく関与しています。

 生物学的製剤はそのサイトカインにターゲットを絞った治療となります。内服治療で進行を防ぎ切れなかった関節破壊を抑制できるなど、従来あった薬剤に比べ大変に高い効果を示す薬剤であり、完治に近い寛解状態を目指せるメリットがありますが、薬価自体が高価のため医療費負担が内服薬に比べ高いというデメリットもあります。
 しかしながら、その効果の高さは「関節リウマチ」の治療が停滞・難渋している患者さん、症状が改善されない患者さんにとっては大変に希望の持てる薬だといえるでしょう。副作用出現の可能性を予め考え、感染症のスクリーニング検査や定期的な副作用チェックは必ず行いながら治療を行うことで、安全に投与することが可能となります。

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