レミケードのケア

レミケードのケア

患者さんの声

■レミケードの特性(効能・効果)

 関節リウマチが起こるメカニズムには、TNFαというサイトカイン(炎症性物質)が多量に産生されていることが大きく関与していることは先に延べましたが(関節リウマチと生物学的製剤)、そのTNFαによって引き起こされる症状として、関節滑膜の炎症を起こすことによる関節腫脹(腫れ)や疼痛(傷み)、関節破壊(軟骨や骨を破壊すること)によって生じる関節の変形や骨性硬直(関節が融合し骨のように硬直してしまうこと)があります。そのTNFαにターゲットを絞った治療薬がレミケードです。

 レミケード(一般名:インフリキシマブ)は、TNFαを抑制することより、上記の関節リウマチに伴う臨床症状を改善します。レミケードを投与する際には、効果の持続と中和抗体発現予防を目的に、MTX(一般名:メトトレキサート)の併用が義務付けられています。

■レミケードのケア

1)先ず治療前に生物学的製剤治療についてのインフォームドコンセントを行うことは必須ですが、患者さんがより安心して治療に臨んで頂くために、手順(投与方法)や検査および投与スケジュール、安全性や起こりうる副作用の可能性について、効果・効能、留意して頂きたいことなどを看護師からも丁寧に説明することが必要でしょう。
 患者さんは診察中に「何でも」質問できるようで、実は質問できていないことが多いものです。その「何でも」という素朴な疑問・質問を拾い上げるのが看護師の大きな役割でもあります。患者さんの不安を取り除くためにも、治療前に「不安要素」を確認し、取り除いた上で治療に入って頂くようにしましょう。

2)実際に治療が始まってからは、患者さんが安全に治療継続できる環境を整えることが必要となります。感染症の合併や過敏症(アレルギー反応および症状)の兆候が現われていないかを検査などのデータのみに頼らず直接患者さんに聴き確認します。
 気になる症状があれば、診察日を待たずに病院に連絡して頂くよう指導することが必要です。起こりうる可能性を事前に、そして早目に対処することで、安全に受けられる治療となります。そのためには患者さん自身にもご協力願うことを患者さんに伝えることも大切です。患者さんたちとの信頼関係を医師だけでなく看護師も築く努力をすることにより、継続的な治療・看護につながるのです。

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