
はじめまして。
医療は日々飛躍的な進歩を遂げ、未知の病気も発見される現代ですが、世の中には未だ原因が解らず治療法も確率していない疾患が沢山存在します。そういった意味に於いて神経疾患以外にも多くの「難病」が人類にはあるといえるかもしれません。原因が解明されていない病気といえば「関節リウマチ」や「全身性エリテマトーデス」など自己免疫疾患も難病といえるでしょう。しかし、慢性疾患且つ全身性疾患であり機能的障害を持つといわれた「関節リウマチ」も21世紀になり革新的な薬剤が研究・開発され、患者さんの症状はほぼ完治に近い完解状態までコントロールできるようになりました。
私の携わる医療機関には「線維筋痛症外来」があり、国内外から多くの患者さんがいらっしゃいます。「線維筋痛症」は原因が分からない慢性疼痛性疾患であり、治療法もまだ確立していない難治性疾患です。診療にあたる医師陣は患者さんの病気の治癒・回復を目指し、日々懸命に医療に取り組んでいます。またケアにあたるスタッフたちも試行錯誤しながら真摯に医療ケアに取り組んでいます。しかし、現時点では確実な診断と治療ができる医師や医療機関が国内に数えるほどしかありません。そのため、線維筋痛症の患者さんたちは診断が確定するまでに様々な医療機関を受診することになります。痛い身体を引きずりながらようやく辿り着いた病院の医師より「そんな病気はない」「分からない」とシャッターを降ろされてしまう経験を患者さん達は少なからずとも一度は経験されています。症状を認知されないこと、何の病気か分からないこと、治療が受けられないことにより、患者さんは不安・恐怖・絶望といった感情を体験し、病状をさらに悪化させてしまうという現象に陥ります。
線維筋痛症の診療体制や専門知識を持った看護師がいる医療機関はまだ稀少な状況です。そのため、そうした医療機関に辿りつくには時間がかかるかもしれません。どんな病気にも通じることですが、先ず患者さんの症状や話に対して真摯に耳を傾けてくれる医師と出会ってください。線維筋痛症はリウマチ科医だけでなく内科医、整形外科医、神経内科医、精神科医と各科の領域で診療が行われており、特に精神科医や心療内科医とのリエゾン的医療が大変重要となります。病気は先ず「病む人」を受け入れられることから始まります。今は診療科に拘らず原因不明の疼痛と向き合ってくれる医師を根気よく探し受診してほしいと思います。
今までもこれからもずっと「現場」にこだわり続ける看護師でいたいと思っています。