清水 渉
WATARU SHIMIZU
Dr. Wataru Shimizu’s Web Site 循環器内科 大学院教授 日本医科大学附属病院

不整脈とは

遺伝性不整脈疾患とは

1990年代の後半から、先天性QT延長症候群をはじめとするいくつかの不整脈が遺伝子の変異によって発症することが分かってきました。心臓の筋肉(心筋)の細胞は、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのイオンの出入りにより1個1個の細胞が興奮して収縮・弛緩し、それが連なり心臓がポンプとして収縮・弛緩しています。このようなイオン電流に関係する遺伝子に変異が発生した場合に、心電図の異常(先天性QT延長症候群におけるQT延長、ブルガダ症候群におけるST上昇)とともに、致死性不整脈(心室頻拍や心室細動)が起こり、突然死の原因となります。

先天性QT延長症候群

先天性QT延長症候群は、心電図のQT時間の延長とトルサード・ポアンと呼ばれる多形性心室頻拍を認め、失神や突然死を引き起こす病気です。遺伝子診断によって、15個以上の原因遺伝子が報告されています。遺伝子診断によって、どのタイプか診断がつくと、どういう時に危険な不整脈が起きるか、どういうお薬が効くかまでわかってきているので、先天性QT延長症候群の遺伝子診断は保険診療になっています。

ブルガダ症候群
ブルガタ症候群は心電図の異常(ST部分の特徴的な上昇)と心室細動により突然死をきたす病気です。1992年にスペインのブルガタ兄弟によって報告されました。日本人をはじめとするアジア人に多く、男性に多いことも特徴です。ブルガダ症候群では、遺伝子変異が見つかるのは2割位です。すべて遺伝子の異常で発症しているわけではなく、年齢や外的な因子が占める割合が多いとされています。

遺伝性不整脈疾患の治療

遺伝性不整脈疾患は、遺伝子変異が原因で起こるということはわかっていますが、治療はあくまで対処療法になっているというのが現状です。 一度、心室細動などの致死性不整脈を起こして救命された患者さんは、次に発作を起こした時のためにICDを植え込みます。