保険診療上今すぐ役立つ実践リウマチ治療
〜サプリメントから生物学的製剤の実際まで〜
2010.11.11 第13回 久留米リウマチ懇話会
2010年11月11日、久留米リウマチ懇話会が開催され、そこで日高整形外科病院病院長 日高滋紀先生 座長のもと、特別講演をいたしました。
テーマは、「保険診療上今すぐ役立つ実践リウマチ治療〜サプリメントから生物学的製剤の実際まで〜」です。ここでは、私がクリニックで少しずつやっていることを紹介しました。
現在における、リウマチの病態モデル
TNF、R6、R2そしてマクロファージ、RANKL、MMP3など、今10種10剤くらい私の所では治験をしています。フェーズ1から受ける時はありますが、だいたいフェーズ2から受けております。
私が今実際に行っている研究
QuestRAGROUP、ENCOURAGESTUDY、SARABASTUDY(遺伝子の研究)、JaSTARSTUDY(生物学的製剤全盛期において、より経済的に有効な治療ができることを検証する研究)、TORAMNETWORKGROUP(リウマチ、線維筋痛症についての研究)、FukuokaリウマチBiologicstreatmentStudyGroup、の計6つの研究を行っています。
テーマとなっている、食事について、サプリメントについてお話しました。
たとえば、SLEの関節炎で脂肪は悪いと言われておりますし、ステロイドを使用している場合は糖代謝の異常をきたします。さらに、塩分は高血圧を誘発する可能性があるということ、腎機能の障害の可能性から抗RA薬剤の副作用を助長するということが知られています。こういうことを私のところにいらっしゃる患者さんには知っていただいています。
サプリメントについて、本当に情報が溢れて誤った考えが大きな問題になっています。実に49.1%のリウマチ患者さんが健康食品を摂っていることが2000年のリウマチ白書でわかっています。それだけのお金があったら生物学的製剤や他の薬剤が使えます。
患者さんへはEBMに基づいて、それを分かりやすい言葉で書いて、貼ったり、そして配ったりして、少しずつお話ししています。そういった無駄を無くそうねということをお話しています。ただ、お孫さんやご両親がくれたものにたいして、ありがとうございますと言って少し飲んでみたらどうですか、というようなお話をしています。
生物学的製剤治療のソファ(SHONO RHEUMATOLOGY CLINIC)
講演のなかでは、新しい診断基準とそれに対する私見と概念、治療方針、実際の費用対効果、そして生物学的製剤の現状から、それから今考えられている開発中の薬剤、テーラーメイド治療の実際というところまでお話をいたしました。