胃がん手術をうけられた患者さんへ:食事のとり方

胃がん手術後の食事

1回の食事量は無理をせず少なめに、たくさん食べられないときは、回数を多くしましょう。

退院後2〜3カ月


朝、昼、夕の3食を基本とし、午前10時と午後3時にビスケットと牛乳など、2〜3回の間食を目安に。


退院後3〜4カ月


個人差はありますが、3食の食事量が増加して、間食の量は徐々に減らしていけるようになります。

●間食に適しているもの

●よくかんで、ゆっくり食べましょう。

よくかむことで、唾液と食べ物がよく混ざり、胃腸の負担が軽くなります。歯の悪い人や入れ歯のあっていない人はできるだけ早く治療しましょう。

●食べすぎないように気をつけましょう。

●食事時間を規則的にしましょう。

●アルコールは担当医と相談のうえ開始しましよう。




●食事内容は段階的に進めましょう。

何を食べてもよいのですが、消化の悪いものをたくさんとることは避け、体の状態に合わせて、段階的に進めていくことが大切です。

・繊維の多い食品などは少量ずつ増やしましょう。

生野菜、キノコ類、海草類、タケノコ、ちくわ、こんにゃく、油を多く含む豆類などはつまりやすいので、よくかんで食べましょう。肉や魚は消化されるので意外と詰まることはありません。

・調理を工夫しましょう。

特に野菜類はあまり消化されないので小さく切りましょう。軟らかく煮込むなどの工夫もよいでしょう。

・油ものは、少量ずつから食べはじめてみましょう。

・少量で栄養のあるものを食べましょう。

肉や魚も消化がよいので積極的にとりましょう。

・お茶、コーヒー、などは薄めにして飲みましょう。

・わさびや辛子などの香辛料は、常識的な範囲で使用してもよいでしょう。

・お刺身も新鮮であれば食べていただいても問題ありません。



●甘いものは食べてもよいでしょう。

胃がん手術後の症状2 ダンピング症候群 参照
急な低血糖になることがありますので ポケットに甘いものをいつも入れておき、症状が出た場合はすぐ食べるようにしてください。症状がしばしば出る人は食後2時間くらいしたら、あめ玉などなめて 低血糖を予防すると良いでしょう。

●水分も忘れずにとりましょう。

水分は飲んでも流れて行きやすく、吸収は固形物に比べて格段に速いので、水分も忘れずにとってください。
ただし食事中の水分摂取はダンピングを起こしやすくするので、ほどほどにしましょう。

●寝る直前は固形物を食べないようにしましょう。

寝る前はなるべくジュースなどで我慢しましょう。食べてすぐ横になることも避けましょう。

●カルシウムは不足しないようにしましょう。

胃の手術後はカルシウムの吸収が減少します。牛乳や小魚など、カルシウムを多く含んでいる食品をとるようにしましょう。また、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。ビタミンDは、食事に含まれる成分をもとにして、日光によって皮膚でつくられます。

カルシウムの多い食品
 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品、緑黄色野菜

ビタミンDの多い食品
 魚類、肉類、卵類、干し椎茸

●鉄やビタミンも不足しないようにしましょう。

胃の切除により鉄の吸収が悪くなって、鉄欠乏性貧血を起こすことがあります。鉄分を多く含む食品を食べるようにしましょう。ビタミンCには、鉄分の吸収を助ける働きがあります。積極的にとるようにしましょう。

鉄分の多い食品
 レバー、肉類、鶏卵、魚類、大豆製品などのタンパク源、緑黄色野菜

ビタミンCの多い食品
 緑黄色野菜、その他の野菜、果物類



<消化しやすい料理>








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