4) 進行程度(病期)
食道がんの治療法を決めたり、また治療によりどの程度治る可能性があるかを推定したりする場合、病気の進行の程度をあらわす分類法、つまり進行度分類を使用します。わが国では日本食道学会の「食道癌取扱い規約」に基づいて進行度分類を行っています。各検査で得られた所見、あるいは手術時の所見により、深達度、リンパ節転移、他の臓器の転移の程度にしたがって0〜IV期に分類します。
食道がん進行度分類(食道癌取り扱い規約)

0期:がんが粘膜にとどまっており、リンパ節、他の臓器、胸膜、腹膜(体腔の内面をおおう膜)にがんが認められないものです。いわゆる早期がん、初期がんと呼ばれているがんです。
I期:がんが粘膜にとどまっているが近くのリンパ節に転移があるものか、粘膜下層まで浸潤しているがリンパ節や他の臓器さらに胸膜・腹膜にがんが認められないものです。
II期:がんが筋層を越えて食道の壁の外にわずかにがんが出ていると判断された時、あるいは食道のがん病巣のごく近傍に位置するリンパ節のみにがんがあると判断された時、そして臓器や胸膜・腹膜にがんが認められなければII期に分類されます。
III期:がんが食道の外に明らかに出ていると判断された時、食道壁にそっているリンパ節か、あるいは食道のがんから少し離れたリンパ節にがんがあると判断され、他の臓器や胸膜・腹膜にがんが認められなければIII期と分類します。
IV期:がんが食道周囲の臓器におよんでいるか、がんから遠く離れたリンパ節にがんがあると判断された時、あるいは他の臓器や胸膜・腹膜にがんが認められたらIV期と分類されます。