脳出血は脳実質内に出血がおこり、突然発症する病気です。
大まかに下記のように分けられます。
◆脳梗塞:脳の血管が詰まる
◆くも膜下出血:脳の枝分かれの部分にある膨らみが破裂する。
◆脳内出血:脳に栄養・酸素をあたえている血管が切れて、脳実質に出血が起こる。
脳出血や脳梗塞の最大原因は高血圧です。
ですが、近年高血圧に対する啓蒙が浸透してきたこともあり、脳出血の患者さんは減少しつつあります。
また、脳出血の量で患者さんの予後が決まりますが、非常に小出血で済む患者さんも増加傾向にあります。
被殻(ひかく)出血 |
高血圧性脳内出血の好発部位です。対側の麻痺症状が出現し、左側の出血では言語障害が出現します。 |
視床(ししょう)出血 |
対側の麻痺症状、しびれや痛みなどの感覚障害が強く出現します。 |
小脳出血 |
めまいやバランスなどの調節障害が出現します。 |
脳幹(のうかん)出血 |
脳幹というもっとも大切な部位での出血です。少量の出血でも生命に関わる呼吸や心拍に強く影響を与えます。 |
皮質下(ひしつか)出血 |
脳の表面近くに出血の出血を表します。比較的高齢者に多く、若年者では血管異常の有無を検査する必要があります。 |
一般的な治療法としては、内科的な治療、つまり血圧の管理と止血剤の点滴をして早期リハビリテーションをすることが主体となります。
非常に出血量の多いケースでは、手術をして脳の中の出血を取り除く治療が必要となります。
以前は全て開頭で脳内出血を取り除いていましたが、内視鏡を使ってストローのようなものを出血部位にさして血腫を吸うといった治療法も導入されています。
現在は、コンピューター解析で血腫の部位を解析し、CTガイド下での血腫の吸引や内視鏡を用いた血腫の吸引が主体になってきており、脳にダメージをあたえにくい治療が行われるようになってきました。
脳梗塞と比べ脳出血に関しては、血圧のコントロールをしっかり行うことにより再発は防げます。
しかし、もともと先天性に血管の奇形のある患者さんが脳出血を起すケースがありますので、
脳出血を起こした場合は、再発が起こらないように脳の血管の検査をしっかりしておくことが重要となります。
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