骨髄腫は免疫グロブリンを作りますので、主に血液検査でわかります。ただ、免疫グロブリンはタンパク質ですので非常に蛋白の値が高い場合に発見される事が非常に多いです。健康診断で総タンパク量が非常に高いので、異常を疑って紹介されることもあります。
免疫グロブリンを調べると非常に値が高いので、発見される場合もあります。場合によっては免疫グロブリンの小さな物が尿に出てきて、尿蛋白が陽性になり腎臓の病気を疑って健康診断で発見されることもあります。
そういう方は非常に早期の場合が多いですが、いずれにしても、血液、もしくは尿の検査でわかります。
確定診断は、免疫グロブリンが増えていることを確認の上、先ほどの骨髄液を摂る骨髄検査をして直接そこに骨髄腫の細胞があることを証明する診断方法になります。
骨髄腫の治療法は過去30年くらいの間は殆ど進歩のしなかった分野ですが、ここ10年で非常に大きく変わりました。
最近は主に2種類のお薬が導入されたことによって、骨髄腫の治療は非常に大きく進歩しました。
1つはプロテアソーム阻害薬です。骨髄腫の細胞はみんな持っている、免疫グロブリンを作る機能です。 細胞の中に作られた骨髄腫の蛋白、免疫グロブリンを外に放出することにより、非常に高タンパクな血液になりますが、免疫グロブリンを上手く放出出来ないようにする薬剤がプロテアソーム阻害薬という薬です。 免疫グロブリンを作る骨髄腫の機能を逆手に取って、プロテアソームという大切な物を止めてしまうと、外に蛋白を放出できなくなり、細胞が死んでしまいます。そういうメカニズムを使った薬剤がが非常に良く使われている薬です。
もう1つは、免疫調節薬という以前薬害を生み出したサリドマイドという薬がありますが、これは免疫調節薬です。サリドマイドというのは、非常に再帰性が強い薬で、一般的にはあまり推奨されませんが、 実はこの薬は骨髄腫に効くということが分かってきて、サリドマイドと同じ作用を持ちより副作用の少ない薬剤としてレナリドマイドという薬が市販されています。免疫調節薬を使うと非常に治療成績が良いと証明されていますので、 ボルテゾミブを使う治療と免疫調節薬を使う治療の2つが勧められます。
抗がん剤の副作用については「白血病の検査と治療」ページをご参照ください。
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