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心筋梗塞

末梢動脈疾患(PAD)

 

心筋梗塞の症状と診断

心筋梗塞とは、冠動脈が完全に詰まって、詰まった部位から先へ血流がいかなくなった状態のことをいいます。
その結果心筋細胞に血液が供給できなくなり心臓の機能が失われます。命に関わるケースもあるため、迅速な診断と治療が必要となってきます。

心筋梗塞の症状

安静時でも20分以上継続する激しい胸痛に加えて、冷や汗、吐き気が代表的な症状です。
半数は何の前触れもなく突然発症しますが、残りの半数は24時間以内に、一週間前までさかのぼると70%以上の人が、20分以内で治まるような胸痛を経験しています。
心臓への血流の減少が原因で起こる数分〜20分以内持続する胸痛が出る病気を「狭心症」といい、その中でも「不安定狭心症」はそのまま心筋梗塞になるリスクが高く場合によっては積極的な治療が必要となることもあり注意が必要です。
不安定狭心症と心筋梗塞を合わせて「急性冠症候群」とも呼ばれます。
高齢者、糖尿病の患者では、胸痛や症状がなく突然に急性心筋梗塞を発症することもあります。

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心筋梗塞の診断方法

心筋梗塞は一刻を争う病気なので、初期治療と並行して行われることになります。

◆心筋障害マーカー
採血をして、心筋が壊死しているかどうかを調べます。
心筋が壊死すると、心筋細胞から特有の酵素やタンパク(心筋障害マーカー)が流出します。これらの血液中での量を調べることによって、心筋壊死の発生や程度を知ることができます。

◆心電図
心電図は急性心筋梗塞の診断に最も有用かつ簡便な必須の検査です。
心筋梗塞が心臓のどの部分でおこっているか、心筋梗塞が起きてからどのくらいの時間が経っているかを知ることができます。

◆心エコー
心筋梗塞がどの部分で起きているかを知ることができます。
心筋梗塞が起こった部分では心臓の運動性が低下してしまいます。
その運動性をエコーで評価してどの部分でどのくらいの梗塞が起きているのかを調べます。


心筋梗塞の治療を行う際に、並行して行う診断が次に述べる「冠動脈造影検査」です。

◆冠動脈造影検査
冠動脈というのは心臓の外側を走っている動脈で、この動脈が心臓を栄養しています。
そのため心臓へ血流が減少する、ということはこの動脈が狭窄・閉塞した、ということになります。
この検査は、冠動脈に直接造影剤を入れ、X線で透視をしてみることで冠動脈の狭窄・閉塞しているところを特定することができます。

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