食道がん胸腔鏡・腹腔鏡手術

従来の手術では胸部の肋骨の間を大きく切開して、時には肋骨を折って胸の中の食道を切除し、さらにお腹を大きく切って、胃を細長く作り直し(胃管と呼びます)、この胃管を首まで持ち上げて首の食道と縫い合わせていました。この手術は患者様には大きなダメージを与えます。しかし胸腔鏡手術では胸部に1cmの穴を4-5個あけるだけで食道がんを取り除き、お腹も小さな穴と4-5cmの小開腹で胃管を作ることができるので、術後の呼吸機能回復が早く、術後の合併症の発生を減らすことが可能な治療法です。また胸腔鏡では神経が拡大されて見えるので、繊細な手術が可能であり、術後の神経麻痺の発生も減少できる可能性があります。

■対象となる患者さん

術前に放射線療法を受けておらず、食道周囲の臓器にがんが及んでいない食道がんの患者さんが対象となります。

■手技の様子、実績

現在までに食道がんの胸腔鏡下手術を約50例に施行しており、2007年は当院での食道がん手術の約90%をこの手術で施行しております。