渡辺 大介
DAISUKE WATANABE
Dr. Daisuke Watanabe’s Web Site 脳血管内治療センター長 / 医長 厚生中央病院

治療方針について

脳血管内治療に対する考え方

大学病院に勤務していた頃、1000例以上の脳血管内治療に携わっています。内、約300例以上は脳動脈瘤コイル塞栓術を術者として行っています。今は二次救急指定病院で昼夜問わず、脳血管内治療を行っております。

短期間に集中して経験することや、いい指導者に恵まれるなど教育システムが整っているかで治療技術に差がでると思います。

私の基本的な考え方として、症例の治療戦略は事前に入念に検討しておき、手術中は手技に集中するようにしています。予定外の流れとなった場合に備え、複数の戦略を用意しておき状況に合った最も安全な戦略を採用し手術を完了するようにしています。
合併症なく安全に治療を終わらせる事を念頭に、常に手術に臨んでいます。

無症状の頚動脈狭窄症や未破裂の脳動脈瘤など検査にある程度時間を掛けられるものに関しては必要な情報を全て揃えてから最も安全な治療手段を検討するようにしています。


未破裂脳動脈瘤の治療方針

未破裂脳動脈瘤の治療として、患者さんが来られた時いきなり「治療しましょう」ではなく、患者さんやご家族の考え方をよく聞き本人の性格も理解するよう心がけています。

また、頭だけではなく他に病気がないかの確認も必要なため、全身チェックにより頭以外に問題点がないか状況をみます。未破裂脳動脈瘤以外は問題がない事が確認され、ご本人、ご家族が積極的に治療を希望された場合にのみ動脈瘤の治療を最優先して考えます。

脳動脈瘤があった場合に何でもかんでも手術すればいいというものではありません。動脈瘤のサイズや形状、部位などから判断し、破裂の危険性が高いなど治療した方がいいと思われ、自分の技能で安全に仕上げられると判断でき、一般的な合併症率と比較して標準以下であれば血管内治療をお勧めします。全ての未破裂脳動脈瘤が破裂することはないので手術せず経過観察となる場合も多くあります。

血管内治療が予想を超えて困難である、予想外のことが起こるような状況が想起される場合は、治療方針を再検討します。そのような症例はクリッピング術の方が適している可能性があります。 自分の技術で安全性と効果が最大限狙える状況にあればコイル塞栓術を選択しますが、安全性が危惧される場合や、最大限の効果が狙えないような場合であれば信頼できるクリップ術の先生に相談します。


頸動脈狭窄症の患者さんの治療方針

無症候性か症候性かにより異なります。
症候性の患者さんに関しては、脳梗塞で来られて、頚動脈狭窄症が認められた場合、まずは徹底的に内科治療を行います。それで症状が進行しなければ、脳梗塞が落ち着いた段階で血行再建術をするか検討します。内科的治療を強化しているにも関わらず、症状が不安定で再発したり、悪化するという事があれば頸動脈ステント留置術だけではなく、外科手技を含めた血行再建術を早急に計画します。
無症候の患者さんに関しては、時間的余裕があるので全身状態、鼠怪部(太腿の付け根)から頚動脈までの血管の状態を観察します。
頚動脈狭窄症の患者さんは他の部位に血管病変を併発している事が多いためこれは非常に重要です。その上で最も安全な治療手段を検討します。