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胃癌:術後経過とクリニカルパス

 当院では、胃がん手術をうけられる方にクリニカルパスとよばれる、病気を治すうえで必要な治療・検査やケアなどを日付別に示した診療スケジュール表を用いて治療していきます。
 幽門側胃切除術の方と噴門側胃切除および胃全摘術の方は別々のクリニカルパスになっていますが、基本的にはそれぞれのクリニカルパスの日程に準じて、幽門側胃切除術の方は術後2日目から、噴門側胃切除術および胃全摘術の方はでは3日目から水分摂取が可能となり、つづいて粥食が始まります。経過によっては、吻合部がうまくつながっているかどうかを検査します。食事が食べられるようになるまでは点滴により水分と栄養を補います。順調に経過すれば術後2週間以内で退院となりますが、食事摂取は元通りというわけではなく、胃がなかったり小さくなっていますから、しばらくは一回に食べる量を減らして1日の食事回数を5回程度に増やしていただくこともあります。
 ただし、クリニカルパスは、あくまで標準的なスケジュールを示したものなので、各個人の体質や病状、治療内容(術式の違いや合併症の発生)によっては、スケジュールどおりにいかないこともしばしばあり、またそういったことも十分考慮されてつくられていますので、たとえスケジュールからはずれることがあったとしても、心配する必要はありませんし、改めて以降の治療の見込みについて説明させていただきます。


クリニカルパス

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