◆ABI (Ankle Brachial Index)
手と足、4カ所の血圧を同時に測る検査です。
スクリーニングとして必須のものです。
目安として65歳を超えた方が検診などで内科を受診された際に足の血圧が手の血圧より高いことを測定して確認します。
通常は足の血圧は手の血圧の1.2倍です。ですから、ABIの指標が1.2である場合は正常値です。
足の血管が詰まってきますと足の血圧が下がりますから、ABIの指標が0.9である場合は足に虚血があると診断されます。
さらにABIの指標が0.9以下であると動脈硬化が全身に進んでいると診断され、心筋梗塞や脳梗塞になる危険があることがわかります。
そういった危険を避ける意味でもABI検査は大切な診療の一部になっています。
◆触診
足には左右の大腿の血管と膝下動脈という血管との二つの血管がありますが、その部分を左右同時に触っていくことにより調べる方法と、
肩や大腿の筋肉の萎縮があるかどうかによって跛行症状の有無を診断する方法とがあります。
跛行症状がある場合、足の痛みにより足に加重をかけなくなるため筋肉が萎縮している場合があります。
特に肩の筋肉や大腿の筋肉が萎縮していると跛行症状が極めて強いという所見がみられます。
片方だけの足が悪い場合は片方に加重をかけている可能性がありますから左右同時に触る必要があります。
跛行症状があると筋肉が萎縮して段々運動能力が落ちる事も大きな問題となります。
◆血管エコー
首の血管を直接観察し、首に動脈硬化があるかどうかを診る検査です。
首の動脈硬化は全ての部位に起こるわけではなく、二つに分かれる血管の分岐する場所に起こります。そこにエコーをあてて動脈硬化の有無を調べます。
▼頸動脈エコー:正常 |
▼頸動脈エコー:狭窄 |
腎臓の動脈硬化は左右の腎臓の根元に起こります。そこに超音波ドップラーのサンプルボリュームという血流速度を測る焦点を合わせ測ります。
血流速度が異常に速いという事になると腎動脈が狭いという診断がなされます。
▼腎臓動脈エコー:正常 |
▼腎臓動脈エコー:狭窄 |
足の血管は非常にエコーで診るのに適していますから首・腎臓・足の血管を血管エコーで評価するのが大変重要な検査法になってきています。
▼足の血管エコー:正常 |
▼足の血管エコー:狭窄 |