動脈硬化性疾患の治療法
●内科療法(薬物療法)とは?
ABIが0.9を切るような人は脳梗塞や心筋梗塞などに潜在的になりやすく、血小板が固まることによって心筋梗塞、脳梗塞、足の血管が詰まるという事が起こります。それを防止するため、血をサラサラにする抗血小板薬剤というものをまず投与します。
また、高血圧の人は降圧剤を使用し、130mmHg、80mmHg以下に持っていくようにします。
LDL(悪玉)コレステロールが高い人はコレステロール薬を使用します。
治療薬の種類
◆抗血小板薬 | 動脈が詰まる原因となる血小板の働きをおさえ、血液をサラサラにします。 |
◆抗凝固薬 | 血液が固まるのを防ぎ、血液の流れをよくします。 |
◆末梢血管拡張薬 | 血栓を作りにくくし、血管を拡張して血液の流れをよくします。 |
運動療法とは?
- 医療機関で行う監視下運動療法
- 医師の指導のもとに自宅で行う在宅運動療法
●血管拡張術とは?
低侵襲治療:なるべく体に傷をつけずに行う内視鏡やカテーテル治療のことです。
◆カテーテル治療とは
別名、血管内治療とも呼ばれています。これはカテーテルという管を動脈に挿入して、風船やステント呼ばれるステンレスのチューブを植え込む治療です。
バイパス手術とよばれる、外科手術の代わりのような役割があります。
バイパス術は?
狭くなったり詰まったりした動脈の代わりに、血流が流れるように、人工血管や患者さん自身の血管を用いて血管をつなぎあわせ、詰まった場所の迂回路を作る方法です。
したがって、体への負担は、麻酔や切開によって侵襲の度合いが強いようです。カテーテル治療は肉体的な負担が少なく、高齢者や他にも病気を持つ人にも可能である点、
入退院が手術と比べて、きわめて短いなど、いいことだらけですが、あくまで血管内にカテーテルという管をいれる治療で、リスクのあることは認識しておく必要があります。
・下肢動脈では:
内科治療や運動療法でも下肢の虚血(血が足りない状態)の改善が見られないとき、日常生活に支障をきたしていたり、十分な歩行ができないときに施行します。
また足に潰瘍ができた場合は急いでこの治療をする必要があります。最近では手術よりもまずこの方法で血流の回復を試みることが多いようです。
・頚動脈では:
頸動脈が狭いだけでは、すぐに拡張したり、ステントをいれたりするわけではありません。十分な内科治療で見ていくことが大部分です。
ただ、一過性に麻痺、言語障害など、明らかに、頸動脈が原因となる神経の症状が出た場合には、頸動脈内膜剥離術という手術か、頚動脈ステント術をする必要があります。、脳梗塞の予防ととしては、いずれも少しリスクのある手技です。
いまだに手術がいいか、ステント術がいいかははっきりしていませんが、慎重に判断する必要があります。
・腎動脈では:
腎動脈が狭く、高血圧が治療うまくいかないとき、腎臓の機能が悪くなるようなときに施行します。
腎動脈の治療は、内科治療つまり薬のみで行くか?腎動脈にステントを用いるかで、手術をすることは基本的にはきわめてまれとされています。
最近では、頸動脈の狭窄と同じように、あまり無症状では内科的に見ることも大切であるとされるようになってきました。
メリット | どこの箇所でもできるというわけではありません。
頸動脈のステント術というのは脳梗塞を予防するために行うわけですが、治療中に動脈硬化が飛ぶととういうリスクもあります。 また、腎臓の血管は狭いところを拡げればいいわけですが、思ったほど血圧が下がらなかったり、腎機能が改善しないということもわかってきています。 足の動脈に関しては、概ね血管拡張術が有効ですが、太ももの動脈や、膝から下の動脈ではところの血管拡張術についてはまだ確実な有効性というものがはっきりしていない点もあります。 |
デメリット | 検査をしてもらっているような延長上にあるので、ほぼ一泊か2泊の入院で治療を受けられます。 骨盤腔内、お腹の中にある腸骨動脈という血管に対しては、血管拡張が非常に優れている事がわかってきました。 |
●バイパス手術とは?
狭くなったり詰まったりした動脈の代わりに、血流が流れるように、人工血管や患者さん自身の血管を用いて血管をつなぎあわせ、詰まった場所の迂回路を作る方法です。