吉村紳一先生のウェブサイト DR.SHINICHI YOSHIMURA'S WEB SITE

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ドクターの紹介

本サイト内の検査画像等は患者さんまたはご家族の承諾を頂いた上で掲載しています。

はじめに

脳出血は、脳内の細い血管が切れて出血する病気です。高血圧で起きる脳卒中として有名です。
出血した脳の場所によって症状は違いますが、麻痺や言語障害などが主なものです。脳出血によって起きた障害は後遺症になることが多いので、予防が最も重要と言われています。


症状

突然の半身麻痺(片麻痺)や失語症(言語障害)が典型的な症状です。ただし重症例では突然意識を失ってしまいます。


診断法

1.頭部CT
脳出血はこの検査で診断することが可能です。

▼頭部CT

頭部CT

(*クリックで拡大します。)

右視床から被殻にかけて脳出血を認めます。CTでは出血は白く描出されます。
2.MRI、 MRA
脳出血の原因であるもやもや病、脳動静脈奇形、脳動脈瘤、脳腫瘍などが診断できます。
造影剤を使用しなくても診断が可能なことが利点ですが、小さな病変は見逃す可能性があります。

▼頭部MRI

頭部MRI

(*クリックで拡大します。)

MRI T2強調画像では、出血は黒く描出されます。
3.頭部CTA (CTアンギオ)
出血の原因を調べるために造影剤を点滴して行います。
CTAは動脈瘤の診断には向いていますが、血管の末端部に存在する血管奇形等は見逃されてしまうことがあります。このためMRI、 MRAと組み合わせるか、血管撮影を行って最終確認する必要があります。また、CTでは骨の近くの病変を診断できないことがあります。
4.脳血管撮影(脳血管造影)
脳血管撮影は最終診断として行われます。
カテーテル操作にわずかにリスクをいますが、最も確実に出血源となる異常血管があるかどうかを診断できます。最近は3次元撮影で病変を詳細に観察することが可能です。

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原因

検査を行っても血管の異常がない高血圧性脳出血がほとんどですが、血管異常や脳腫瘍などが原因となっている場合もあります。

1.高血圧性

2.もやもや病

3.脳動静脈奇形

4.脳動脈瘤

5.脳腫瘍

[ 治療法 ]

高血圧性脳出血の手術法には、開頭手術、内視鏡による手術、管を留置するドレナージ術、などがあります。以下に簡単に述べます。
また、上記の2〜5ではそれぞれの疾患に対する治療が主体となるため、それぞれの項で述べます。

1.点滴等による治療(保存的治療)
血管異常がなく、血腫が小さい場合にはこの治療法が一般的です。
時間はかかりますが、血腫は徐々に解けて吸収されていくからです。
ただし、血腫が大きい場合や周囲に浮腫(ふしゅ:脳のむくみ)を伴う場合で、頭蓋内圧(ずがいないあつ:頭の中の圧力)が高度に上昇している場合には救命のため手術が必要です。
2.開頭手術
最も古くから行われてきた治療法です。
以前はこの治療がスタンダードでしたが、最近は徐々に治療数が減少してきています。全身麻酔で開頭して行うため侵襲が大きいのが欠点です。しかし血腫が大きく、脳のはれが強い場合には、救命のため現在でも行われています。
3.内視鏡手術
最近、脳出血に対する低侵襲治療法として徐々に増加しています。
頭を大きくあけることなく血腫の吸引が出来るため、患者さんの体にやさしい治療です。また局所麻酔でも治療が可能です。以前は止血処置が不完全で再出血を起こすことがありましたが、最近は機械も改良され徐々に安全な治療になってきています。
4.ドレナージ術
CTなどを用いて血腫の中に管を入れ、そこから徐々に血腫を外に流しだす治療法です。
血腫が解けるように血栓溶解剤などを管から入れることもあります。内視鏡手術の方がすぐに血腫が取れて管も留置できるため、最近では徐々に行われなくなってきています。

以上のように脳出血の治療の主流は、点滴による治療と内視鏡手術です。
ただし、先にも述べたように一旦出血で破壊された脳は元には戻りません。このためこれらの治療はあくまで「さらに悪化すること」を防ぐことしか出来ません。脳出血のほとんどの原因が高血圧によるものであり、普段の血圧管理こそが最善の治療であることを強調したいと思います。