吉村紳一先生のウェブサイト DR.SHINICHI YOSHIMURA'S WEB SITE

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ドクターの紹介

本サイト内の検査画像等は患者さんまたはご家族の承諾を頂いた上で掲載しています。

 

はじめに

海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)は、いわゆる腫瘍(しゅよう)ではなく、「脳の中に血管の成分が紛れ込んでいる状態」とされています。医学的にはこれを過誤腫(かごしゅ)と呼びます。
一般の腫瘍のように細胞が分裂して大きくなったり、悪性化することはありません。まずはこのことを知ってください。
まずはこのことを知ってください。

症状

最近はCTやMRIが発達して、無症状のものが見つかることが多くなりました。
ただ、中には出血やてんかん発作を起こして見つかることもあります。出血といっても比較的大出血することは少なく、じわっとにじむように出血することが多いのが特徴です。ですから気がつかないうちに出血を繰り返していることもありますが、場所が運動機能をつかさどる部分の近くであったり言語野の近くの場合にはマヒや言語障害が残ることがあります。



診断法

MRIが診断に有効です。特に出血の成分をはっきりと映し出すT2* (ティーツースター)という撮影法が最も敏感な方法です。もちろんT1強調画像、T2強調画像等、一通りすべての方法で撮影を行い総合的に判断する必要があります。
脳のどの場所にもできますが、一般的には大脳皮質下と脳室壁周囲、脳幹部に多いとされています。
大型の血管腫には静脈奇形を伴うことが多いと報告されています。



治療法

 無症候性病変

偶然発見されたものには、通常治療の必要はありません。

 症候性病変

治療適応を考慮する必要がありますが、一度出血を起こしたものでも、再出血率は低いとされているので通常は経過観察になることがほとんどです。ただし出血を繰り返したり、薬剤抵抗性てんかんの原因となっている場合には手術適応となる場合があります。

   手術:

場所にもよりますが、それほどリスクの高いものではありません。しかし、手足を動かす運動野という部分や脳幹部の病変は手術のリスクが高いため、治療をするかどうかよく専門医と相談する必要があります。
出血を繰り返し、手術での悪化の可能性が低い場合にのみ適応となります。

   放射線治療:

定位放射線(ガンマナイフ、Xナイフ、サイバーナイフ等)が有効であったとする報告もありますが、かえって病状を悪化させるとの報告もあり、賛否両論です。