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脳動脈瘤とは?

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■脳動脈瘤とは?

  頭蓋内の脳の動脈が先天的に弱いところがあり、そこに血流があたることによって徐々に膨らんでくると 膨らんだところの動脈壁が薄くなってきます。薄くなると破裂することがあり、破裂するとくも膜下出血になります。
  そうなると1/3の方が亡くなりますし、1/3の方が何らかの障害をおこします。元通りになる方が1/3です。
  近年は診断装置が発展してきたので患者さんに負担をかけない検査方法であるMRIができ、MRIをとると動脈瘤がみつかるようになりました。


■未破裂脳動脈瘤の手術基準

  絶対的に未破裂脳動脈瘤を手術しなくてはいけないことはありません。破裂する可能性が高いときに手術を考えることになります。
  学会の基準でいうと、年に1%の確率で破裂する危険性がありますので、患者さんの年齢と可能性を天秤にかけます。くも膜下出血を起こしてからでも助かる場合もあります。
例えば70歳の方に脳動脈瘤が見つかった場合、70歳というのは少なくともあと10年は生存されるであろうと考えます。そのような方は破裂する可能性は数%、手術による死亡率は0%に限りなく近いのですが、 後遺症を起こす可能性は5~6%でてきます。もしかしたらその方は破裂するかもしれないにもかかわらずかえって手術によって後遺症を起こす危険性があるならば、破裂の可能性の少ない年齢の方は手術はしない方がいいということになります。
  また、大きさとしては5mm以上が基準ですが、それ以下であっても場所によっては破裂の可能性が高い所もありますので、それらを総合的に判断して手術をするかどうかを決定します。


■未破裂脳動脈瘤の治療

  脳動脈瘤がみつかった場合、必ず破裂するとは限りません、年間1%の確率といわれていますので破裂しない可能性もあります。 ただし破裂の確率が高くなりますので注意が必要です。破裂するとくも膜下出血になります。 くも膜下出血は場合は昔ですと7割の患者さんが死亡したといいます。現在でもなおくも膜下出血の手術をしても1/3の方が死亡、1/3が後遺症、残りの方が社会復帰ということになります。 それでは手術をしたほうがよいのではないかという意見もありますが、後遺症の問題もあります。
  それらを全て加味してどちらにするかは患者さんの判断です。絶対的なことはありません。このお話をすると治療をされる方は血管内手術をいれても3割くらいです。 多くの方は積極的には手術を選択しません。
  ただし、みつかったからには放っておくのはよくありません。 すぐには手術しなくても半年後にもう一度診察して判断することが大切です。 他には薬という選択をを考えます。薬で完治させることはできませんが危険性を低くすることはできます。高血圧の方は血圧のコントロールをする、 喫煙の嗜好のある方は禁煙をする。このようなことをしたうえで半年後に再度診察をして手術をするかどうかを改めて検討します。